ヘンデル・フェスティヴァル・ジャパン《タメルラーノ》日本初演@浜離宮朝日ホール

c0060659_15351956.jpg生活リズムが違いすぎて落ち着く暇がありません。ネットも未開通で暗中模索ッス。ともかく携帯から更新をば。
先週の土曜日、名古屋から荷物を出したその足で築地にゆき、ヘンデルのオペラ《タメルラーノ》演奏会形式によるノーカット版日本初演を聴きましたのです。

【2008年12月6日(土) 15:00~ 浜離宮朝日ホール】
●ヘンデル:歌劇《タメルラーノ》 HWV18(日本初演)
→山下牧子(MS/タメルラーノ)
  辻裕久(T/バヤゼット)
  佐竹由美(S/アステリア)
  波多野睦美(MS/アンドローニコ)
  背戸裕子(MS/イレーネ)
  牧野正人(Bs/レオーネ)
⇒渡邊孝/キャノンズ・コンサート室内管弦楽団


一幕一時間×三幕という遠大な尺の中で繰り広げられたのは、アルトのタメルラーノ(ティムール)とテノールのバヤゼット(オスマン皇帝バヤジット1世)による渋~いオヤジ劇(ただし昼ドラ風味)。。
簡単に書きますと、捕虜となったバヤゼットの娘に横恋慕したタメルラーノ、誇り高いバヤゼットの苦悩、タメルラーノの激怒とバヤゼットの自己犠牲、という感じかな。若い人も登場するけど、主役は怒れるオヤジ2人です。彼ら2人に、アリアもレチタティーヴォも魅力的なのが与えられてますもんね。

歌手の中ではバヤゼットを歌った辻裕久氏が特によかった。タメルラーノを歌う山下牧子さんは地声をむき出しにした怒りの表現が素敵だったけれども、アリアで少し物足りなさを感じたのは事実。
それと、アンドローニコという若い王子がストーリーに絡むのですが、この役を歌った波多野睦美さんが独特の味わい。他の人物はみな隈取りがしっかりしてるのに、波多野さんの柔和な歌い口によって一人だけ面白いように浮遊感が出てしまい、浮世絵の中にジョットの人物が一人混じっているような不思議な情景になります。。

本公演では、チェンバロと指揮を担当した渡邊孝氏もよかった。レチタティーヴォに艶やかな表情を加える彼のチェンバロに聴き惚れてしまいましたし、彼に率いられたキャノンズ・コンサート室内管(リクレアツィオン・ダルカディアのメンバーが母体になっているのね)はほとんど表現主義的と言っていいくらいアグレッシヴな響きを作り出していました。

休憩含めて四時間の長丁場だったけれども、これを聴くために集まってきた熱心な聴衆によって緊張感のある時間が保たれたように思います。
by Sonnenfleck | 2008-12-10 06:28 | 演奏会聴き語り
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