ブリュッヘンのプローベを見学した。

c0060659_8333044.jpg【2009年2月14日(土)10:30~ すみだトリフォニーホール】
●ハイドン:交響曲第97番ハ長調 Hob.I-97~第2、3、4楽章
●同:交響曲第98番変ロ長調 Hob.I-98
→渡邊順生(FP)
⇒フランス・ブリュッヘン/新日本フィルハーモニー交響楽団


降って湧いたような春の一日。土曜の深夜から大気の様子がおかしくて、一夜明けたら雑駁たる春の匂いが漂っておりましたもの。
今回の新日フィルのハイドン・プロジェクトでは、チケット購入者に対して該当公演のゲネプロご招待という特典が与えられています。休日に当たるのは第2回公演だけですので、いそいそと錦糸町まででかけてきました。

ブリュッヘンはチノパンに薄いブルーのストライプシャツ(背はしわしわ)。やっぱりよろよろ…っとステージに出てくるけど、顔を見ると至って元気そう。
ネタバレになってしまうので詳細は書きませんが、ブリュッヘンは少しずつ演奏させては静かに止めて、時おり歌を混ぜながら静かに指示を与えて、また演奏させる、これで細切れながらもほぼ全曲を聴くことができました。客見せ用ゲネプロって本当に全曲通してしまうケースもあるけど、今回は真実味のある練習風景でした。
前回の感想文で「『フレーズをフレーズとしてそれらしくモデリングすること』への興味をやや薄れさせている」というふうに自分は書きましたが、練習風景を眺めているとそんなことは全然なくて、散々細かな表情を付けた上でそのように聴こえるのだというのが今回の気づき。第2楽章にどれほど時間を割いているかというのがわかっただけでも収穫です(やっぱりアダージョは難しい)。ブリュッヘンがちょっと指示しただけですぐにアーティキュレーションに反映させる新日フィルのクレヴァーな反応、そしてその良好な関係にも驚いた。

+ + +

で、さらに面白かったのは、休憩中に事務局の方が語ってくれた内容。
(※内容を出すのがNGであればメールでご連絡ください。すぐに対応します。)

今回のプロジェクトはそもそも、2007年の来日時にパルテノン多摩から帰るタクシーの中で、ブリュッヘンから渡された一枚の紙が発端だそうで。その紙には(以下想像)、
The Creation
Malin Hartelius, John Mark Ainsley, David Wilson-Johnson

Fortepiano Yoshio, Yokohama

London symphonies
96, 95, - intermission - 93
94, 98, - intermission - 97
99, 100, - intermission - 101
102, 103, - intermission - 104
とだけ書いてあって、「いつかどこかでこれをやってみたかったが、自分としてはこのオーケストラとやりたい」という話をされたらしい。指揮者にこんなことを言われたら完全にKOですわなあ。以降、事務局は東奔西走してスポンサーを見つけたり、曜日配置を見たり、「Yoshio, Yokohama」さんを探し当てたりして、これを実現に漕ぎ付けたというわけ。

あと、1ヶ月にわたって東京に滞在するブリュッヘンは、知り合いのシェフがやっているイタリア料理店に行くためによく一人で銀座に消えていくそうです。さらにあるとき、楽屋に『ミシュラン・ガイド東京』が置いてあって、「東京駅に丸ナントカというのがあるだろう。なんと言うんだ」という質問があったと。渡されたメモには今度は「TOKYO 36F」とだけ書いてあって、ははあ丸ビルだねと思ったそうです。グルメじいさんなエピソードです。

さて自分は今日の公演が最終回。目に耳にしっかりと焼き付けてきます。
by Sonnenfleck | 2009-02-15 09:02 | 演奏会聴き語り
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