水永牧子 チェンバロ・リサイタル@東京オペラシティ

c0060659_648776.jpg【2009年3月14日(土) 19:00~ 東京オペラシティ・リサイタルホール】
●ダングルベール:第1組曲 ト長調より
●ラモー:《小鳥の呼びよせ》、《やさしい訴え》、《ジプシー》
●フォルクレ:第4組曲 ト短調より
●フィッシャー:アルペッジオ、パッサカリア
●バッハ:フランス組曲第3番ロ短調 BWV814
●同:トッカータ ニ長調 BWV912
 ○アンコール 同:フランス組曲第5番~サラバンド
⇒水永牧子(Cem)


このおかげで(?)ギロチン音を耳に残したまま初台を去らずに済んだのでした。

オペラシティのリサイタルホールはアンサンブル・ノマド以来だろうか。あそこが傾斜のない平たいホールだってことは知られてるのでしょうから、全自由席ならば開場前は行列。。関係者らしきオバハン軍団と、小生も末席を汚す暗ヲタ軍団の対決で。
当夜のチェンバロは水永さん所有のフレンチモデル。赤い躯体に金箔の装飾がとーっても美しい…けど当日はヘソを曲げてしまったみたいで、開演直前まで弦の張り替えが行われておりこちらもヒヤヒヤ。その様子は梅岡さんの「チェンバロ漫遊日記」に詳しいようです。

《カルメル会》と時代はそんなに違わないはずだけど、語法は250年以上遡って、前半のフランスプロ。
それにしても、どんなアプローチもブラックホールのように呑み込んでしまうダングルベール。すげえなあ。水永さんの演奏は初めて聴いたけれども、弾け飛ぶような拍感の演奏をイメージしちゃっていると、当夜は彼女の優しい呼吸に気持ちよく裏切られる。
そういうわけで、ラモーとフォルクレの性格的な作品は実によかった。特にフォルクレは、レオンハルトだと伝説の大悪魔という感じがしますが、水永さんの演奏だと魅力的な小悪魔っぽくてドキドキです。歌い方が素直できれいで、悪意や無駄な重みがないからなのかなあ。

後半にフィッシャーのパッサカリアが聴けたのは嬉しいポイント。ここでも音楽のフォルムがガツガツしてないというか、物腰がとにかく柔らかく、いい意味で平明で、こうしたリュリ系のバロックにはそれがよく似合っていると思います。
by Sonnenfleck | 2009-03-17 06:47 | 演奏会聴き語り
<< on the air:ブリュッ... 新国立劇場オペラ研修所公演 《... >>