東京文化会館レクチャーコンサート:Tragedie lyrique、あるいはリリコの悲劇

昨日は朝から美術館を3つハシゴしたのち、東京文化会館へ。
まったく同じ時間に大ホールでは小澤征爾の《エレクトラ》で血みどろ愛憎劇が繰り広げられる一方、小ホールでは典雅な空想劇が秘やかに上演されました。

【2005年3月13日(水)15:30〜 東京文化会館小ホール】
→前田りり子(司会、バロックFl)、原雅巳(S)、桐山建志&大西律子(バロックVn)、深沢美奈(バロックVa)、平尾雅子&品川聖(Gam)、平井み帆(Cem)
→市瀬陽子&鶴見未穂子&井上陽集(バロックダンス)

●リュリ:コメディ・バレ《町人貴族》から〈トルコの儀式のための行進曲〉
●マレ:ヴィオール曲集第2巻から〈スペインのフォリア〉
●ルベル:《四大元素》から〈カオス〉
●ランベール:〈愛する人の影〉
●リュリ:トラジェディ・リリク《アルミード》から
     1、プロローグから序曲 
     2、プロローグからメヌエットとガヴォット 
     3、第2幕第4場のアリアⅠとⅡ 
     4、第4幕第2場のガヴォットとカナリ 
     5、第5幕第2場のパッサカリア 
     6、第5幕第5場のフィナーレ


東京文化会館のレクチャーコンサートは毎回、意欲的なプログラムを安価に提供してくれるので、たびたび出かけています。この日のテーマは「踊るヴェルサイユ『王の踊り』」。日本のバロック音楽演奏を支える中堅どころの演奏者たちが贅沢に勢揃いしました。特に前田りり子氏、桐山健志氏、平尾雅子氏、平井み帆氏らが出演する演奏会には、僭越ながら、数え切れないほど足を運んでいますし、毎回満ち足りた気分で家路に着くのが常です。。ところが

この演奏会ではいくらかの不満が残りました。
確かにこのレクチャーシリーズは毎回、それほど多くの曲を演奏するわけではない。あくまで「レクチャー」が主です。それにしても今回は「りり子さん話長すぎ!!!!!!!!!!」
僕はあなたのトラヴェルソが好きです。知的で元気があって、押さえどころは決して外さない…。でも、残念ながらあなたの話術は、あなたの演奏ほどには聴衆を魅了しないみたいなんです。公の場でしゃべるなとは言いません、でも僕はあなたの演奏がもっと聴きたい!!
また、バロックダンスにスポットを当てたがために、演奏はいささか地味で四角四面な様相を呈しておりました。ダンスと合わせるためなんでしょう、いつもは自然なリズムの伸び縮みが今回はギクシャク。平尾氏十八番&神業の〈フォリア〉も短縮バージョンでがっかりっす。またの機会に期待。

この演奏会では、協賛企業である花王がヴェルサイユの香りを再現したオリジナルの香料を開発、それを染みこませた羽毛をプログラムに挟んで聴衆に配るという、たいへん面白い趣向が凝らされました。ちょっと退廃的で甘やかな香り。
by Sonnenfleck | 2005-03-14 16:00 | 演奏会聴き語り
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