熱狂の復習―5月3日(日)

c0060659_612667.jpgもう少しだけLFJモード続きます。振り返り。

【141】5/3 0945-1030 ホールC〈ライプツィヒ〉
<J. S. バッハの作品にもとづく即興演奏>
●Gam&Cemソナタ第3番ト短調 BWV1029
●インヴェンション第4番ニ短調 BWV775
●メヌエット
●平均律クラヴィーア曲集第1巻~第2番前奏曲ハ短調 BWV847
●管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068~エア
 ○モンティ:《チャルダーシュ》
⇒小曽根真(Pf)+中川英二郎(Tb)


考えてみたら、ジャズのライヴ(これをそのように呼んでいいのであれば)に接するのは初めての経験です。クラのように構造を大掴みにしつつ瞬間を楽しめばひとまずOKというわけでもなさそうだし、ジャズの聴き方ってイマイチわからなくってですよ。ああ、でもこれは、装飾の力を借りて主題と変奏を楽しむものなのかもしれないと実感した。
ガンバ・ソナタの第1楽章までは楽譜どおりのカッチリ演奏だったので、どうしたのかしらと逆に身構えましたが、第2楽章から急に奇矯なパッセージが挿入されたりして、文字通りアトモスフィアが変わります。こういうのって楽しいね。ラテンノリに変容したプレリュードは、この後に聴くことになるビオンディとは、そーんなに遠いところにあるわけではなかった。

【142】5/3 1130-1215 ホールC〈ライプツィヒ〉
<ヴィヴァルディ>
●シンフォニア ト長調 RV149(カンタータ《ミューズたちの合唱》序曲)
●VnとVcのための協奏曲変ロ長調 RV547
●《ラ・ストラヴァガンツァ》op.4-4 イ短調 RV357
●オペラ《テルモドンテのヘラクレス》RV710~シンフォニア
●セレナータ《セーヌ川の祝典》ハ長調 RV693~シンフォニア
 ○コレッリ:合奏協奏曲 op.6-4 ニ長調~第4楽章
⇒ファビオ・ビオンディ(Vn)/エウローパ・ガランテ


3年前の来日時に彼らの《四季》は聴いてしまったので、今回はそれ以外のプログラムをチョイス。にしてもちょっと渋すぎるような気がしないでもなくて、あえてこのプログラミングにした意図はあまり掴めなかったというのが正直なところです(ストラヴァガンツァにした理由なんか本当にわからない)。
ただ、《セーヌ川の祝典》のシンフォニアのように、ちょっとフランス趣味の入った作品をビオンディたちが料理するとどうなるかというのがわかったのは収穫(意外なくらい楚々としたアーティキュレーションを用いるんですよ)。彼らのことを語るのに何年も前に出た《四季》のCDだけを持ち出すのはもうやめにすべし。この話は彼らの夜公演にもつながってゆきます。

【174】5/3 1500-1545 G409〈ドレスデン〉
●バッハ:《イタリア協奏曲》ヘ長調 BWV971
●バッハ/リスト:Orgのための前奏曲とフーガ ハ長調 BWV545
●バルトーク:《ミクロコスモス》第3巻~2つの半音階的インヴェンション
●バッハ/バルトーク:Orgのためのソナタ ト長調 BWV530
●バッハ:《4つのデュエット》第1番ハ短調 BWV802(抜粋)
●ワイセンベルク/酒井茜:コメディ・ミュージカル《フーガ》~フーガ
●グルダ:前奏曲とフーガ (以上順不同)
⇒酒井茜(Pf)


このあたりから体調が急速に悪化し、集中するのが難しくなってしまいました。GW突入前の疲れが出た感じ(だといいなあと思っている)。
当日になって曲目や曲順が変更されていたみたいで、上に書いたとおりの順番ではありませんでしたが、グルダだろうなあと思われる曲がなかなか面白かったです(小曽根+中川で聴いた生ジャズをフリーズドライにしたみたいな)。他はちょっとミスタッチが目立って、シンケーシツな人間には辛いものがありました。

【145】5/3 1645-1745 ホールC〈ライプツィヒ〉
●バッハ:ミサ曲ト短調 BWV235(抜粋)
●同:マニフィカト ニ長調 BWV243
→マリア・ケオハネ(S)、サロメ・アレール(S)
  カルロス・メナ(C-T)、ハンス=イェルク・マンメル(T)
  ステファン・マクレオー(Bs)
⇒フィリップ・ピエルロ/リチェルカール・コンソート


カルロス・メナの美声に酔いながら、ほぼ全編にわたって沈没。。とてもいい演奏だったらしいのはなんとなく感覚的にわかるので、余計悔しい。

【126】5/3 1900-1945 ホールB7〈ケーテン〉
●ヴィヴァルディ:シンフォニア ト長調 RV149(カンタータ《ミューズたちの合唱》序曲)
●パーセル:劇付随音楽《アブデラザール、またはムーア人の復讐》
●ヴィヴァルディ:《ラ・ストラヴァガンツァ》op.4-4 イ短調 RV357
●コレッリ:合奏協奏曲 op.6-4 ニ長調
 ○テレマン:組曲ト長調《ドン・キホーテのブルレスカ》 TWV55~
        〈ロシナンテのギャロップ〉、〈ドンキホーテの眠り〉
⇒ファビオ・ビオンディ(Vn)/エウローパ・ガランテ


4作品のうち2作品を弾いたことがあり、こちらの耳も開きやすかったんでしょうが、アンサンブルのほうも昼間の公演に比べ数段パワーアップしています。印象に残る公演。

まず因縁のパーセル《アブデラザール》。こちらは作品の質自体がリュリから遠くないので、ビオンディたちにとってはアウェーなのかもしれませんが、いつもの彼ららしいキツい語り口を巧みに用いつつも、パーセル独特の線の細い華やぎをオーセンティックに演出します。
序曲前半の苛烈な付点リズム、後半の攻め立てるようなフーガ。ロンドでの前進するフレーズ感(ただしこういったところで通奏低音をむやみにゴリゴリさせないのは、ビオンディの好みが変容しつつあることの表れではないだろうか>これは第3エアでも同じ)。
いっぽうで第1エア第2エアホーンパイプの可憐な表情、メヌエットの自然なイネガル、ジグでの寂寥感あるテクスチュアの実現、終曲第4エアを「あえて盛り上げようとしない」ことで生じる豊かな余韻など、アダルトな魅力も満載で、、ブラヴォでした。

それから、こちらも因縁浅からざるコレッリのop.6-4
チケットを押さえたときも会場で配られたプログラムを見たときも、いずれも堂々と「op.6-6です」って書いてあったものですから、てっきりそのように思って気楽にしていたら、最初の和音がおかしくて、、はっっっと跳ね起きました。6-4じゃねえか。
コレッリのスコアって本当にシンプルで、しかしながらその隙間には、当然ながら装飾と推進機関が期待されているわけです。1995年のビオンディの正規録音は、勢いに頼る気配があるのに実際はあんまり前に進んでいないきらいがあったんですが、当夜の演奏はあれとは一味二味、三味も違って、豪奢な装飾を撒き散らしつつもガシガシ前に向かう、とっても素晴らしいものでありました。
第1楽章のアダージョ部からして、ビオンディ(1stVnコンチェルティーノ)と2ndVnコンチェルティーノ氏の強烈な絡み合いにより火花が飛び散ります。第2楽章はさらに哀しげに深化しているし、第3楽章は山と谷の高低差が強くなっているし、第4楽章はトゥッティの重量感を生かして強烈に前進してくるし。―ああ!これだ!これだ!

アンコールの後、花束を渡そうとする女性。それを無粋にも止めようとする係員男性に、猛烈なブーイング。結局渡すことのできた女性にワーという歓声。客席もラテンノリ。

+ + +

【127】5/3 2045-2130 ホールB7〈ケーテン〉
●テレマン、バッハ。
⇒ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル


【147】5/3 2200-2315 ホールC〈ライプツィヒ〉
●ブクステフーデ:我らがイエスの御体
⇒クラウディオ・カヴィーナ/ラ・ヴェネクシアーナ


友人にチケット譲る。
by Sonnenfleck | 2009-05-07 06:15 | 演奏会聴き語り
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