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ひげとしましま

ツィマーマン来日中です。僕は来月20日の最終公演を所沢まで聴きにいく予定でありまして、新型インフルエンザのために中止にならぬことを切に願うばかり。
バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
ベートーヴェン:Pfソナタ第32番ハ短調 op.111
ブラームス:4つの小品 op.119
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 op.10
これが当日のプログラムですが、今回はシマノフスキがとっても楽しみなのです。
シマノフスキの東方ロマンティシズムをツィマーマンの美音で聴くのは一体どんなものなのかと思っていてですね。ネタバレ覚悟でこの録音を買い求めてきて、予習してみました。

c0060659_6434631.jpg【DGG/00289 477 5903】
●フランク:Vnソナタ イ長調
●シマノフスキ:《神話》 op.30
 〈アルトゥサの泉〉〈ナルシス〉〈ドリアデスとパン〉
●同:歌劇《ロジェ王》 op.46 ~〈ロクサーナの歌〉
●同:《クルピエ地方の歌》 op.58
⇒カヤ・ダンチョフスカ(Vn)+クリスティアン・ツィマーマン(Pf)

まだ若くて髭のないツィマーマン。しかしこの時点で「完璧」。
《神話》の3曲はどれも美音のさざ波に浸されています。そもそも、ドビュッシーの流儀とスクリャービンの魂がねっとりと絡み合うような美しい仕立ての作品なのですが、それをマニエリスティックな美音で再生していく若き日のツィマーマンの腕前には溜息しか出ません。
〈アルトゥサの泉〉でずっと聴かれる清々しい水音。その水面に映る〈ナルシス〉では、前半の偏執的な反復音型と後半の自己完結したような情熱が鋭く描き分けられているのがポイントでありましょう。その傍らで〈ドリアデスとパン〉の身軽な追いかけっこ。

〈ロクサーナの歌〉よりも《クルピエ地方の歌》に惹かれますなあ。シマノフスキの中の旋律と民謡の旋律を比べるのはよくないかもしれないけど。実にハスキーなダンチョフスカの音色も、ほんの少しショウピースっぽい前者より、苦みの強い後者のほうが似合う。

遡って、フランクのソナタは第3楽章が圧倒的です。予想を遥かに上回る敏感繊細な時空がスピーカーから立ち昇ってきて、居たたまれなくなるくらい。これでダンチョフスカもクリスタル系の音色の持ち主だったら本当に張り詰めてしまいますが、ハスキーさが逆に功を奏して何とか日常に踏み止まった感あり。日常から出て行くのには勇気がいります。
by Sonnenfleck | 2009-05-25 06:44 | パンケーキ(20)
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