シューベルトのピアノ三重奏曲が好きです。
変ロ長調 D. 898 と変ホ長調 D. 929 の二曲があり、どちらもどうしようもないくらい切ないのですが、今は前者をよくトレイに乗せます。第5交響曲、ピアノソナタ第21番、、シューベルトの変ロ長調作品ってどうしてこんなに現実の汚さから遠いところにあるんでしょうね。優しく話を聴いてくれてるようで、ぜんぜん目の焦点があってない、というか、
こっちの方なんか一顧だにしてない冷たい感触。
この曲の白眉は第2楽章。コーヒーを煎れて、これを聴きながら春の午後のぼんやりした晴れを見ていると、このまま消えてもいいかな…と思います。
先日、映画
「ローレライ」を見てきました。終戦前夜、アメリカによって3個目の原爆が東京に落とされようとしています。それを防ぐのが、日本軍がドイツから接収した潜水艦「伊507」。この潜水艦には謎の超高性能索敵システム「ローレライ」が搭載されていた…というのがだいたいのストーリーですが、、しかしまあなんと男臭い映画。海軍と潜水艦が主な舞台ですので、作品中に登場する女性はわずか2名。狭い潜水艦のなかで繰り広げられる男同士の熱い熱い友情についグッと来ます(^^;;;;)
海中での(文字どおり)息詰まる攻防、重厚な脇役(ピエール瀧、國村準、小野武彦、、いい俳優たちを集めました)、適度などんでん返し…非常に質の高いエンターテインメントです。設定が大戦末期ですのでこちらは必然的に悲劇を予想しますが、見終わったあとの爽快感は約束できます。もし映画がエンタメであるならば、これは文句なく最上の作品でしょう。誰が見ても楽しめます。
それは致命的かもしれないけど。