【2009年9月5日(土) 14:00~ 近江楽堂】
<バルトロメオ・デ・セルマ(1580-1640)> ●カンツォン第11番~バレット ●カンツォン第3番~コレンテ ●チャコーナ** ●パッセジャータ《スザンナ》(ラッソ原曲) ●パッセジャート《草原と丘》(パレストリーナ原曲)~リチェルカータ ●カンツォン第4番 ●カンツォン第35番* ●カンツォン第14番* ●パッサカッレ** ●ガリアルダ&2つのコレンテ* ●カンツォン第20番* ●チャコーナ* ●カンツォン第34番* ○アンコール チャコーナ?(詳細不明) ⇒古橋潤一(Rec*) アントネッロ:濱田芳通(Rec, Cor)、石川かおり(Gam)、 西山まりえ(Cem**) 実は近江楽堂初体験なのです。狭いんだねえ。夜公演は雰囲気もよかろう。 アントネッロを聴くのはちょうど一年ぶり。その宗次ホール公演で知ってしまったのが、思わずさん付けしてしまいたくなる濱田さんの親しみやすいお人柄でして、彼の堂々たる不良クールな音楽とは何かが違うギャップ萌え。アントネッロのコンサートはこれで通算3度目だったけれど、そのいずれも音楽的にはクール、雰囲気的にはほっこりと心温まるものであったために大満足。今やグイと心を掴まれています。 今回取り上げられたのは、バルトロメオ・デ・セルマ Bartolomeo de Selma というスペイン人が書いた音楽。マドリードで音楽を勉強したあと、インスブルックから遥かブレスラウまで行ってしまった面白い人で、濱田さんのプログラム解説には「17世紀のテレマン」とのキーワードもあり。 デ・セルマの〈カンツォン〉はバス声部つきのソロ・ソナタ、あるいはトリオ・ソナタの形を取っているみたいで、この日は前半に濱田さんのリコーダーに石川・西山コンビを合わせたソロ・ソナタ、後半にゲストの古橋さんがリコーダーで入ってトリオ・ソナタが演奏されました。ただ17世紀前半に弱い自分としては、ここで聴けた華々しい演奏が、ポーランド音楽からエッセンスを汲んだデ・セルマの楽譜のためなのか、それともアントネッロのプレイのためなのか、イマイチ判断できずでした。両方だろうか。 スペイン古楽(の、しかも初期)らしく荒々しい展開を、さらに増幅するアントネッロの3人+1人は、よく田町駅のデッキで見かけた南米系のパフォーマーたちなんか敵ではないくらい「辻音楽師」だった。あれはもしかすると藝大古楽科のセンセたちをカンカンに怒らせるプレイなのかもしれないが、やっぱり愉しいのだ。 さてこの日一番の衝撃は、西山さんがソロで聴かせてくれた〈パッサカッレ〉でありました。 栄のHMVでこの人の《イタリア協奏曲》を試聴して、異様な濃厚さに引いた経験もあり。しかし彼女が鍵盤に長い髪を垂らしてデ・セルマの音符に耽溺する様子、そしてそこから立ち昇る音楽には、何か胸を締め付けるような美しさがあった。ここではさらにパッサカリア萌え属性も刺激されたゆえ、溜息も出ず。 + + + 幕間にファゴットの祖先・ドゥルツィアンが登場(デ・セルマはファゴット奏者でもあった)。あの至近距離で受けるドゥルツィアンの音波はほとんどトロンボーンのように強烈。古橋さんも濱田さんも、二人とも吹けるんならもっと聴きたかったなあ。夜公演では吹いたのかな?
by Sonnenfleck
| 2009-11-04 22:17
| 演奏会聴き語り
|
Comments(0)
|
カテゴリ
はじめに 日記 絵日記 演奏会聴き語り on the air 晴読雨読 展覧会探検隊 精神と時のお買い物 広大な海 ジャンクなんて... 華氏140度 パンケーキ(20) パンケーキ(19) パンケーキ(18) パンケーキ(17) パンケーキ(16→) タグ
日常
クラヲタ
ショスタコーヴィチ
バッハ
旅行
のだめ
散財
モーツァルト
ラ・フォル・ジュルネ
ベートーヴェン
B級グルメ
ノスタルジー
ブリュッヘン
マーラー
演奏会
名フィル
アニメ
ストラヴィンスキー
展覧会
シューベルト
Links
♯Credo
Blue lagoon Blue Moon--monolog DJK Klassik DRACの末裔による徒然の日々 dubrovnik's dream ETUDE Fantsie-Tableaux Langsamer Satz Le Concert de la Loge Olympique minamina日記 mondnacht music diary~クラシック音楽~ Nobumassa Visione preromantique Rakastava SEEDS ON WHITESNOW Signals from Heaven takの音楽 Takuya in Tokyo Valenciennes Traeumereien Vol.2 Wein, Weib und Gesang ○○| XupoakuOu yurikamomeの妄想的音楽鑑賞とお天気写真 4文字33行 アリスの音楽館 アルチーナのブログ あるYoginiの日常 アレグロ・エネルジコ マ・ノン・トロッポ アレグロ・オルディナリオ あれぐろ昆布漁 いいたい砲台 Grosse Valley Note ウェブラジオでクラシック音楽ライブ 「おかか1968」ダイアリー 音のタイル張り舗道。 オペラの夜 おやぢの部屋2 音楽のある暮らし(そして本も) 音源雑記帖 ガーター亭別館 河童メソッド ギタリスト 鈴木大介のブログ きままにARTSダイアリー ヽ['A`]ノキモメンの生活廃棄物展示場 クラシカル・ウォッチ 古楽ポリフォニックひとりごと 心の運動・胃の運動 コンサート日記 さまよえるクラヲタ人 瞬間の音楽 素敵に生活・・・したい! たんぶーらんの戯言 ディオニュソスの小部屋 ドイツ音楽紀行 弐代目・青い日記帳 爆音!!クラシック突撃隊♪ブログ。 ♪バッハ・カンタータ日記 ~カンタータのある生活~ はろるど ひだまりのお話 ひねくれ者と呼んでくれ 平井洋の音楽旅 ブラッセルの風・それから ぶらぶら、巡り歩き ベルリン中央駅 まめびとの音楽手帳 萌える葦、音楽をするヒト もぐらだってそらをとぶ やくぺん先生うわの空 ユビュ王の晩餐のための音楽 横浜逍遙亭 よし のフィルハーモニーな日々 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2010 & オペラとクラシックコンサート通いのblog リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」 りんごの気持ち.blog 六国峠@ドクター円海山の音楽診療室 私たちは20世紀に生まれた * * * CLASSICA Dmitri Dmitriyevich Shostakovich Pippo Classic Guide Public Domain classic WEBぶらあぼ クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~ クラシック・データ資料館 木曽のあばら屋 佐藤卓史公式ウェブサイト 柳の下 artscape ミュージアムカフェ 豊田市美術館 東京都現代美術館 川村記念美術館 * * * 管理人宛のメールはdsch_1906 ◆yahoo.co.jp までどうぞ(◆=@)。 以前の記事
2023年 07月 2022年 07月 2020年 07月 2019年 02月 2019年 01月 2016年 06月 2015年 09月 2015年 06月 2015年 02月 2014年 11月 more... 検索
その他のジャンル
ブログパーツ
記事ランキング
|
ファン申請 |
||