クララ・シューマン 愛の協奏曲(9/21)

c0060659_10435858.jpg【2009年9月21日(月) 13:45~ Bunkamura ル・シネマ】
<2008年 独仏洪合作(原題"Geliebte Clara")>
→マルティナ・ケデック(クララ・シューマン)
  パスカル・グレゴリー(ロベルト・シューマン)
  マリック・ジディ(ヨハネス・ブラームス)
⇒ヘルマ・サンダース=ブラームス(監督)

Bunkamuraの客層ってちょっと不思議な感じよね。
さて。
こういう主題だから、クラヲタとしては「××は悪かったけど総じて良作だった」という感想に持っていきたいところなんだけど、今回は「○○はよかったけど総じて残念な出来だった」というところに落ち着いてしまうかなあ。せっかくの題材を全然活かし切れずに終わってしまった感アリアリ。

1850年、ロベルト・シューマンがデュッセルドルフの音楽監督に招かれたところから物語が始まる。交響曲第3番の作曲と初演、ロベルトのグロテスクな精神疾患、夫の病と音楽と生活に挟まれて身動きの取れないクララの心労、そこへ自信に満ちた若きブラームスの姿が加わります。やがてロベルトのラインへの投身、精神病院への入院、発狂と死へつながっていきますが、クララとブラームスの危うい関係はついに深い描写を経ず、ブラームスの第1Pf協奏曲をクララが弾いて、幕。なんだこりゃあ。
以下、鑑賞後に同行者と話し合った内容及び個人的補足。

■プロットが弱々しく、結局何が主題だったのかよくわからない。常に3人の視点が混じり合って曖昧模糊としたせいで、せっかくの(多分この作品のクライマックスであった)クララとブラームスのラヴシーンも説得力がなく、かなり唐突な感じになってしまった。
■尺の伸縮管理がいいかげんで、間延びしすぎたり急展開すぎたり。ラインに飛び込んで10分後に入院支度を済ませて自宅を出るロベルト早業。
■ロベルトが《ライン》の第1楽章を指揮しながら第2楽章に侵蝕されていく演出はよかった。同様に、第2楽章のエピソードが狂ったようにリピートする演出もよかった。シューマン家の飯炊き婆さんが階上から聴こえてきた第2楽章に感涙するシーンもよかった。
■ロベルト役の狂気の演技は粗野な方に傾きすぎ、知的な印象に欠ける。
■クララ役が肝っ玉母さんすぎる。
■ブラームス役の演技は野心的すぎ、繊細さに欠ける。
■結局ブラームスの叔父の子孫のジコマンでは。
■あれ?「Ich weiß...」じゃねえのか。
■イソジン。

+ + +

お正月の「シャネル&ストラヴィンスキー」はかなりよさげ。
by Sonnenfleck | 2009-11-22 10:50 | 演奏会聴き語り
<< CA-3S(9/21) ホグウッド/N響 第1653回... >>