スクロヴァチェフスキ/読売日響 第114回東京芸術劇場マチネーシリーズ(9/23)

c0060659_9334398.jpg【2009年9月23日(水) 14:00~ 東京芸術劇場】
●ベートーヴェン:Pf協奏曲第4番ト長調 op.58
→アンドレ・ワッツ(Pf)
●ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
⇒スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ/
  読売日本交響楽団


このブログ初期のころはスクロヴァ爺さんにハマっていたこともあって、熱狂的なことを書いたこともある。
名古屋で聴いたザールブリュッケンとのベートーヴェンがそんなによくなかったこと、また同様に、彼のブルックナー全集が好みではなかったこともあって、今や気持ちはかなり離れましたが、それでも常任最終シーズンの冒頭を飾るブル9となると、聴き逃すことはできない。

で、どうだったか?スクロヴァの年齢から考えて、彼が指揮を執るブル9をまた生で聴くことはもうないような気がすることを踏まえると、自分にとってはほろ苦い結末だったと言えます。
全体の造形はザールブリュッケンとの全集録音とほとんど変わりない。かなり速めのインテンポを下地に、ブルヲタが浸りたがるような壮麗な箇所ほどむしろテンポを速め、ハーモニーもどぎつく彩る、その方向は同じ。第3楽章になって急激に浪漫化するのも同じ。もともと好みではなかったこの設計を実際に生で体験してみると、かなり白ける場面が多かったな。。

もともとヴォリュームのある曲想なので、響きにも慣性みたいなものが生まれ、空間に自然なカーヴがいくつも出現するのがこの作品のノーマルなスタイルじゃないかと思います。そのカーヴを90度に交わる直角に変えてしまうやり方は、聴いていて確かにスリリングではあるけれども、スクロヴァがたとえばベートーヴェンでやるほどには、効果を素直に発揮していないように感じる。ここんところは好みの問題だから突っ込まれてもうまく反論できないけどさ。

23日はアンサンブルもガタガタで、技術的瞬間的なミスはある程度仕方がないけど、ところどころでアインザッツすら合っていないのにはガッカリ。そういう要素は仮令指揮者の指示がなくても、最低限の土台として揃えておくのがプロだと思う。スクロヴァから「アンサンブルはわざと乱せ」という指示が出ていたか、あるいは翌24日のサントリー公演のための有料ゲネプロだったのかもしれない。

+ + +

前半の伴奏は、この人としては珍しいことに非常に美しい音色を伴っていて、意外な側面を垣間見た気がする。ソリストはあまりにも粗野で驚きでしたが。
by Sonnenfleck | 2009-11-28 09:46 | 演奏会聴き語り
<< 東京二期会―R. シュトラウス... CA-3S(9/21) >>