ロジェストヴェンスキー/読売日響 第116回東京芸術劇場マチネーシリーズ(11/28)

c0060659_2157069.jpg【2009年11月28日(土) 14:00~ 東京芸術劇場】
<シュニトケ>
●《リヴァプールのために》(日本初演)
●Vn協奏曲第4番
 ○アンコール 〈ポルカ〉
→アレクサンドル・ロジェストヴェンスキー(Vn)
●オラトリオ《長崎》(日本初演)
→坂本朱(MS)
→新国立劇場合唱団
⇒ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/
  読売日本交響楽団


シュニトケの多様式主義には共感し難い、ということが改めてわかった。
音楽美学的には「様式の境目にギャップ萌え!」という価値の見出だし方をするんかな?シュニトケのそうした「ギャップ」部分には、お花畑が突如として殺戮現場になるような趣味の悪さがあって僕は嫌だし、それを僕の好みの問題にするにしたってもう少しコンパクトなスコアにまとめられるような気がする。。

前半の二曲はそれが顕著なんです。ちょっと久々に聴いたロジェヴェン先生の華麗な音響設計魔術は完全に健在で、余計鮮やかにギャップが描かれるのでたまらない。本当に趣味が悪い(苦笑)
Vn協奏曲のソリストである息子アレクサンドルのために用意したオケ付きのアンコール〈ポルカ〉もおかしな小品で、アンサンブルが合ってるんだか合ってないんだかよくわからんし、またしてもロジェヴェン先生の煙に巻かれてしまったナ。

+ + +

で、最後に打ち上げられるたのがオラトリオ《長崎》日本初演。
前半のことがあったのでかなり覚悟してたんですけど、よくプログラムを読んでみたら1956年に音楽院の卒業作品として作曲された曲で、その実はほとんど純正のショスタコ・インスパイアだったのでした。
それにしたって、交響曲第12番のようなショスタコをさらに露骨なリアリズム路線に仕立てたような感じなのです。ティーシチェンコ以上に…って書いたらおわかりいただけるかもだし、音楽史的には「長年埋もれてても仕方がなかった」レベルかもしれない。

全五楽章からなる反原爆詩をテキストにしたオラトリオですが、例によってテキストには社会主義リアリズム臭が芬々としてて不謹慎ながらついニヤニヤさせるのがミソ(「五大陸のすべての人々よ」とか、「平和と勤労を擁護するために立ち上がろうと」とか)。
ともあれ原爆炸裂シーンの阿鼻叫喚と(ああいう巨大な音響は読響の十八番だわなあ)、畳み込むような露語合唱のパワー、そしてそれを悪魔のように軽くヒョイヒョイ振っているロジェヴェンの姿が印象深い。。ロジェヴェン先生は2010シーズンの来日予定がないみたいだけど、また必ず、僕らを愉しませてください。
by Sonnenfleck | 2010-01-21 22:00 | 演奏会聴き語り
<< 精神と時のお買い物XX 新国立劇場 《ヴォツェック》(... >>