今日の東京は非常に暑かったです。数日前まで蕾だった桜も一気にヤケ咲き。
ファビオ・ビオンディ/エウローパ・ガランテといえば、過剰・過熱を売りにしたアンサンブルの、最初にして最大の成功者なわけです。彼らのあとを追ったアンサンブルは多くありましたが、その方向で彼らを超えるものはなかった。90年代のバロックを方向づけた彼らの功績は「歴史的」であったと言っても過言ではないと思います。
コレッリの合奏協奏曲 op. 6-4 ニ長調は、初めて人前で弾いた思い出の曲です。冒頭のGraveを聴くだけで気分は一気に大学一年の夏。当時僕らのサークルでは、なんでもかんでも「ガランテ風」に演奏するのが流行りでありまして、、ご多分に漏れずこの曲でも、ビオンディのVnの装飾音やエウローパ・ガランテの細かなアゴーギク、ヘミオラの取り方(こいつが曲者…)などを大いに「参考」とし(^_^;)、そこへ自分たちなりのスパイスを加えながらそれなりに形にしていったのです。指揮者のいないアンサンブルの醍醐味は意見のぶつけ合いなんですよ!! ええもう自戒を込めて!!
そんなわけでビオンディ/ガランテ。奇妙な装飾とか、つんのめるようなパウゼとか、pとfの激烈な対比とか、そういうところでしか注目されないですよねー。
でも実は、緩徐楽章の彼らは、誰にも真似できないような玄妙な世界を作っています。やっぱ人間、そういうギャップにグッとくるんだよなあ。