熱狂の復習―【131】アンタイ 平均律クラヴィーア曲集アラカルト(5/3)

c0060659_8572157.jpg【131】5/3 945-1030 ホールB5〈ジョルジュ・サンド〉
●バッハ:平均律クラヴィーア曲集
⇒ピエール・アンタイ(Cem)


いやあやっぱりこの人、変だなあ。破調の美だなあ。
好き、ではない。自分とはまったく呼吸が合わない。
けれど心惹かれる。

日曜日の朝一番のライヴであるから、そのことを差し引いておくべきとは感ずるものの、何曲かは譜読みを並行させているとしか思えないような様子で、バッハのオテホンを聴きに来た小学生もたじろぐしかない。
しかしその一方で、掌中にあるらしい何曲かでは妖しく美しい「歪み」が発現しているんだよなあ。取り上げられるのが何巻の何調で、というのは終演後も発表されなかったし、僕も詳しくないのでわからなかった。残念。

いくつかのプレリュードはマックてりやきバーガーのように結合がゆるゆるで、今にも結合がほどけてしまいそうだったかと思えば、逆にいくつかのフーガは、小型火器のように硬く残忍なフォルムを保持している。
破調と日曜朝の摩訶不思議な合一、折悪しく鳴ってしまった携帯着信音を睨みつけるアンタイの死の視線、その後の仏頂面まで含めて、コンセプチュアル・アートのような45分間でしたな。

カーテンコール後、アンタイ目掛けて一目散に駆け寄るマルタン萌えす。
by Sonnenfleck | 2010-05-03 09:19 | 演奏会聴き語り
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