熱狂の復習―【178】ネムタヌ+ドマルケット+シャマユ(5/3)

ポゴさん@サントリーの感想文は、とりあえず措いといて。

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c0060659_23205550.jpg【178】5/3 2015-2100 G409〈グジマワ〉
●シューマン:Vnソナタ第1番イ短調 op.105
●メンデルスゾーン:Pf三重奏曲第1番ニ短調 op.49
⇒デボラ・ネムタヌ(Vn)
  +アンリ・ドマルケット(Vc)
  +ベルトラン・シャマユ(Pf)


5月3日の二公演め。
群衆の中で休息を取るのは非常に難しいということが過去5回分の経験からわかったので、朝一アンタイの後、すぐに会場を脱出して、近くの秘密の隠れ場所に潜伏。夕方からは友人たちと合流して、東京駅南のほうで寿司をつまんだり、ビックカメラで家電を見たりして、夜までの時間を消化する。(うわさの羽レス扇風機、一度見たほうがいいですよ。凄いですよ。)

さてこの公演のチケットは、正直に言ってしまうと、【183】アラ・ポロッカまでのつなぎのつもりで入手したものだったんです。奏者は全員知らないし、まあでもメントリ1番が聴けるんならいいなあ、というくらいで。
でも、これだからLFJは面白い。
5月3日に聴いた三公演の中で、この時間が最も濃密で、素晴らしかった。

まず、シューマンの第1ソナタ。この曲は実は初めて聴いたんだけども、馥郁たる浪漫が立ち昇るシューマンらしい(しかしそんなにビョーキっぽくない)音楽で、これまで知らずにいた贅沢を噛み締めるほかなし。
ネムタヌという若い女性ヴァイオリニストは、あの響かないGの空間でも柔らかい音を維持できる右腕の持ち主で、五月の薫風のように空間を撫でる。お菓子みたいな名前のシャマユというピアニストも、細心の注意を払って部屋の大きさに見合うアーティキュレーションを実現させる。第3楽章で冒頭から上昇しすぎた結果、終盤でそれ以上に持っていけなくなり、全般に少ーしだけ平板になってしまった以外は、とても素晴らしいライヴだったと言えるだろう。おしまいで第1楽章の主題が静かに戻ってきたときは、思わず泣けてしまった。

で、Vcのドマルケットが加わってメンデルスゾーンの第1トリオ
常設のトリオじゃないのに、リハも満足にできないと言われるLFJで、この完成度!両端楽章で登り詰めた高みは、メンデルスゾーンを軽んじる多くの日本人クラヲタにリピート再生を義務づけたいくらいだな。
全体に漂う重量感は、C線に独特のソリッド感があるドマルケットに理由が求められそうだけど、ここでは曲調の要請もあってシャマユのPfが表層に浮かび上がることも多く、彼の爽快な音質が全体を一段階上に掬い上げたのは間違いない。ネムタヌ嬢は重量を男二人に任せて、よりいっそう開放感のあるスタイルに移行する。

この公演はアーティストの立ち見がずいぶん多かったのも不思議で、彼らの歓呼も混じって万雷の拍手へ。本当にいいロマン派の音楽を聴いた。
by Sonnenfleck | 2010-05-07 23:24 | 演奏会聴き語り
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