on the air:[日曜美術館]宮崎進という画家に出会う。

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夕食を早めに済ませて、最近つけていなかった家計簿に向かう。バックに日曜美術館の夜の再放送を流して、7-8月度の赤字にため息をついていたのだけれども、いつのまにか、吸い込まれるようにしてテレビの画面を見ていた。

宮崎進(みやざきしん)という知らない画家の特集。

今年6月、ひとつの法案が成立した。戦後、シベリアで過酷な労働を強いられた元抑留者への補償を決めた「シベリア特措法」。忘却と風化が進む中、改めて悲劇の記憶を呼び覚ます出来事だった。

戦後65年、シベリア抑留体験を見つめ、描き続けた画家がいる。宮崎進(みやざき・しん)さん、88歳。旧満州で終戦を迎え、シベリア奥地の収容所で4年間抑留生活を送った。復員後、旅芸人を描いた作品で安井賞を受賞し画壇に登場。そして、シベリアでの体験を描いた「俘虜」、「いたましきもの」など、生と死、絶望と希望が共存する傑作が、多くの人々に深い感動を与えた。2004年には、現代美術の祭典、サンパウロビエンナーレの日本代表に選ばれ、国際的にも高い評価を得ている。

近年、パーキンソン病と闘いながら創作をあきらめない宮崎さん。司会の2人が鎌倉のアトリエを訪ね、人生と芸術、最近の心境などを伺う。
(番組HPより転載)

胸を深く抉られるような暗い色調に沈む人物たち。画家が麻の布をキャンバスに塗り込めることで、荒々しくも物悲しい肌触りとなって彼らが現れるのを見ると、何とも言えない深い感情が湧き上がってくるのがわかる。
氷の表層で上滑りに滑って三回転ジャンプを決める、そんな調子のいいゲンダイビジツだって好きだ。でも、氷に閉じ込められた深い底にある藝術絵画には、計り知れないパワーがあるんだということを改めて思い知った。なんか。

暗い絶望にすべてを任せて、禍々しい作品を描くことも宮崎氏にはできたのだと思う。その安易さに心を委ねなかった禁欲的態度には頭を垂れるほかないし、それゆえの微かな希望、不思議な軽さに、僕は最も惹かれたようだ。
ちょうど《バービィ・ヤール》の第5楽章のような。
by Sonnenfleck | 2010-08-15 22:49 | on the air
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