熊野詣記(下)

承前

◆8月24日(火)
14:20 「熊野本宮大社」参拝(龍神バス)
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↑歩いて到着できたらさぞ感激だったろう。八咫烏の幟がある。
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↑足を引き摺りながら急階段を上っていくと、本殿が現れる。朱塗りされていない白木が清々しいが、秋から屋根の茅葺の修繕に入るらしく、この蒼枯とした趣きはしばらく見られなくなるのかもしれない。
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↑明治22年の大洪水に流されるまで、熊野本宮大社は熊野川の中洲「大斎原」にあった。ここが旧社地の大斎原。今は平成12年に造られた大鳥居があるのみ。本宮大社はきっと途轍もなく長い歴史を持っているし、その昔は今の伊勢神宮と同じように、強固な場所性を誇っていたんだろう。

15:30 宿に到着(湯の峰温泉「伊せや」)
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↑すっかり草臥れてしまって、温泉に漬かりたい一心でこの日の宿へ。
夕方、物凄い雷雨。熊野は雨の多い場所だそうで、古道のあちこちに小さな流れがあったのもよくわかる。食事の頃にはまた夕晴れとなり、蜩を耳にする。

◆8月25日(水)
06:30 起床。
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↑「伊せや」さん。各旅行サイトのレヴューが高得点なのも納得。
値段は確かに張るのですが、館内も部屋内も隅々まで清潔で小ざっぱりとし、旬のものが多くあしらわれた料理は大変美味く、温泉は小ぶりながらも効能が強そうで、しかも部屋数が多くないために独り占め状態。おまけに社長から女将さんに仲居さん、従業員の皆さんまで悉く人当たりがよい。これはリピーターになってしまう気持ちもわかるよ。

08:50 湯の峰温泉発(熊野交通バス)
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↑チェックアウトして新宮行きのバスを待つ。
風邪が進行して鼻に来た。風邪を引いているときのにおいがするぜ。

バスが来るまで女将さんが話し相手をしてくれて(踏み入ってこない絶妙のトーク術)、これも一人旅には嬉しい。女将さんによると、社長さんが若い時分は、一人旅が好きだったのに旅館では宿泊を断られることが多く、そんな思いをさせないために「一人旅のお客さんは絶対断るな!」と厳命されているとか。

10:00 「熊野速玉大社」参拝。
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↑新宮の街中に鎮座する速玉大社。夏雲。
美術好きはここの宝物殿を逃してはならない。本宮のような災害に遭わなかったためなのか、1300年代の器物が多く現存し、それら国宝がずらりと、しかも素っ気なく並べてある(館内には冷房さえ効いておらず、心配になる)。真夏の薄暗い室内で見る蒔絵箱や玉佩(彫金が施された装身具)の美しいこと。

11:10 新宮発(紀勢本線) → 11:32 紀伊勝浦着
11:50 紀伊勝浦発(熊野交通バス) → 12:10 大門坂バス停着
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↑那智大社への参道「大門坂」の入口。
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↑坂の途中にあるのが、最後の王子社「多富気王子」。近代交通機関でショートカットしまくった僕でも感慨深いのだから、いにしえのすめらみかどの喜びはいかばかりだったろうか。
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↑30分間で「プチ古道歩き」が体験できると評判の大門坂。こんなもんじゃ…こんなもんじゃねえんだぜ…と心中の叫び。
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↑さて大門坂を抜けたのち、那智大社への上り道がかなりハード。古道のように覆うてくれる木蔭もなく、ひたすら正午の太陽に灼かれて階段を上る。汗また汗。
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↑那智大社に参拝。これまでの二社と異なり、観光地性が顕著なのだが(人が写らないように撮影しているだけで、坂から境内にかけてはけっこうゴタゴタしているのよ)、眺望はさすがに素晴らしい。
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↑那智大社に隣接する「青岸渡寺」と(神仏習合してるねェ)、彼方に那智の滝。予想外にスケールが大きくてびびる。
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↑滝へ向かって地獄の下り坂。前日の古道歩きによる筋肉痛凄まじく、冗談抜きで階段が下りられない。老若男女に抜かされつつヒイヒイと這い下りる。

13:30 那智の滝「飛瀧神社」参拝。
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↑人が多い。観光客的には、すでに熊野三山とは別物とみなされているらし。
しかし、いい季節に来られた。延命長寿。

15:01 那智の滝前バス停発(熊野交通バス) → 15:30 紀伊勝浦着
15:54 紀伊勝浦発(特急スーパーくろしお) → 18:46 和歌山着
      ・ボクを補陀洛まで連れてって。那智の浜の向こう。

19:00 ホテルへチェックイン(ホテルグランヴィア和歌山)
      ・驚きの安さ。
      ・駅前の和歌山ラーメンが激マズ。還俗の儀式のようだ。
      ・疲れた…寝る…。

◆8月26日(木)
08:30 起床。この後、名古屋に移動して
      ・熱田神宮参拝
      ・名フィル市民会館名曲シリーズ(フィッシャー親方のブラ2)
      という案もあったが、疲労に加えて風邪が進行していたため、諦める。

09:48 和歌山発(特急オーシャンアロー) → 10:49 新大阪着
11:00 新大阪発(のぞみ) → 13:33 東京着

おしまい。
「熊野詣記(上)」はこちら「熊野詣記(中)」はこちら。)
by Sonnenfleck | 2010-08-31 23:16 | 日記
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