PCを新しくするの巻:アバドのブランデンブルクとともに

このブログの1400件以上あるエントリのほぼすべてを一台で担ってきた愛機LaVie君であったが、近年は冷却ファンの音も凄まじく、「ホントにインテル入ってる?」という速度となっていたのであった。2004年生まれのHDDはいつ壊れてもおかしくないわけで、現役のうちに次の世代へとバトンタッチさせるべく、ついに跡継ぎの購入を決意。これが3月のはじめ。

思い切ってMacに戻ってしまうとか、いろいろと迷うものの、能力のわりに型落ち寸前で格安なこと、スペックそのままでTV機能を付けずに済むこと、デザインがよいことなど勘案して、VAIO F(オーナーメイドモデル)氏をLaVie君の後継に決める。カスタマイズが自由にできるのをいいことに、ちょっと贅沢なCPUを積む。
無事に配送も済み、時間のある週末にゆっくりセットアップするべいと思ってとりあえず電源だけつないで机の上で待機させていたところ、3月11日の大地震。ひとまずLaVie君をメインにしたまま、2週間が過ぎた。

ようやく身辺が落ち着いたこの週末、VAIO F氏のチューニングを行なう。
Firefoxの4.0を入れたり、iTunesを入れたり、ノートン先生を買ってきたり、いろいろとやってみて改めて氏の潜在能力の高さに驚いている。LaVie君なら息切れしてCPUがゼイゼイいう局面でも、何の苦もなくひょいと乗り越える力強さ。すげえなあ。君付けでは呼べぬこの威圧感。7年分の進化!
しかしVAIO F氏、マウスのドライバが不良で、サポートセンターに何度かお世話になる。指示を受けてとりあえずドライバをインストールし直して事なきを得たが、本当の原因はわからないとのこと。君付け降格も時間の問題か。

+ + +

ともあれ、アバド/オーケストラ・モーツァルトのブラ全で、この跡継ぎを出迎えましょう。(LaVie君はなぜかこのディスクを読み込んでくれなかったのです。)

c0060659_1241434.jpg【medici arts/2056738】
●バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番~第6番
→ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
  オッターヴィオ・ダントーネ(Cem)
  マリオ・ブルネロ(Vc)、アロイス・ポッシュ(Vl)
  ラインホルド・フリードリヒ(Tp)
  ジャック・ズーン(Fl)、ミカラ・ペトリ(Rec) ほか
⇒クラウディオ・アバド/オーケストラ・モーツァルト


ソリスト陣を列挙していくと、ピリオドもモダンも入り乱れたその豪華さに仰天せざるを得ず。アバドのカリスマに疑いを持つのが見識、みたいな風潮がヲタ界隈にあるけど、この尖ったメンツを集めて破綻させず、ひとつの軽やかな音楽に仕立て上げる能力が、どれほどの指揮者に備わっているだろう。

映像で見てみると、アバド自身はあまり強い指示を出したりすることはなくて、指揮棒を持たない両手で必要最小限のリズムを柔らか~く取っているだけなんですな。
バロックのアンサンブルは指揮者とチェンバロの乖離が起こるとかなり救われない結末が待っているのですが、ここは、あまり画面に映らず、映ってもぶすっと無愛想なオッターヴィオ・ダントーネ氏の職人芸に感服するところだろう。ちゃんとアバドのリズムに乗りながら、微細で動きの多いパッセージなどは隙間を完璧に補完してアンサンブルの箍をがっちり締めているのがよくわかる(編成が薄いブラ3とかブラ6はそれが特にわかる)

ダントーネがすっごくつまんなそうにしてソロを弾いているブラ5では、長いカデンツァにさしかかった途端、ほんのりとエロティックなアゴーギクが加わるのがギャップ萌え。ま、彼が自分のアンサンブルと出したバッハの協奏曲集は、控えめながらたしかに官能的であったからね。

さて、カルミニョーラはずいぶん大人しい。というより、アバドの音楽の中で肩肘張らずに伸び伸びと弾いている(ブラ3の第3楽章の優しいことといったらない)。いつも突っぱっている不良が、実は尊敬する先生に全幅の信頼を置いているぜ、みたいな安心感に溢れていて、ちょっとほろりとくる。いつもながら情緒的な聴き方ですんませんけど。
by Sonnenfleck | 2011-03-27 12:08 | 日記
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