2008年の夏に一世を風靡した伝説の名作
「マセドニアグレープ」と肩を並べる逸品が、今夏、ついに誕生。
種々の果実が煮込まれて濃厚でポリフォニックな味わいが五官を刺激した「マセドニアグレープ」に対し、「ソルティ・ライチ」はライチの芳醇な薫りが一本の太い綱としてボトルを貫いており、かすかなスパイスとグレープフルーツの後味がそれを伴奏しつつ、塩気が最後の調性を決定づける。諸君、これはホモフォニーである。
口に含んでからのどに落とし込むまで、砂糖の味が力強く存在し続けるも好い。カロリーオフを謳う人工甘味料のくだらない甘さはもううんざりなんだよ。僕のウヰルキンソン・ジンジャエールを人工甘味料で汚した罪は重いのだぞよ。いい加減そこらへんに気がつかないのかね>飲料各社。
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正午の夏空の下、ウェーベルンの《夏風の中で》
(←音楽のスタンスとしては「マセドニア」に近いが)など聴きながら「ソルティ・ライチ」を口にすれば、夏の佳きものに囲まれるような心地がする。演奏はベルティーニ/ケルン放送響(EMI)で。