カムイヌプリ43度(後編)

承前(カムイヌプリ43度(前編)カムイヌプリ43度(中編))。

◆8月19日(金)
06:00 起床。前夜の雨も上がり、曇りではあるが一応の登山日和です。
      ・前夜のうちに朝食弁当をもらっておき、身支度だけして出発。

07:30 屈斜路湖畔からぐるりと北に回り込み、西別岳登山口に到着。
      ・同行者(先達)によれば、登山口はよく整備されているとのこと。
      ・山の麓は霧雨で、冷え込んでいる。雨具の上だけ着る。
      ・登山口のテーブルで朝食。登山靴を履き、準備体操。
      ・登山者名簿を見ると、われわれが今日の一番乗りのようだ。
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↑今回の登山ルート。西別岳から摩周岳までの縦走で、往復約15キロの道のり。

08:00 出発!
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↑こんなふうに、往きの西別岳は完全に霧に閉ざされていた。あたり一面に広がるクマザサが風でサワサワと揺れている。
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↑西別岳への最初の数キロは「がまん坂」と呼ばれる直線的な登り道(普通は九十九折になってジグザグに登るところを、ずどんと道が延びている)
「がまん坂」道標の上にクワガタあり。
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↑「がまん坂」はこの日の全行程中最初にして最大の難関。虚弱な東京住まいは心臓と肺が持たなくて、軽い頭痛を起こしながらの辛い登り。このデジカメは水平センサが付いているんですが、いかに非道な角度かおわかりでしょう。
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↑ガス。
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↑第一~第三お花畑、および「ごくらく平」と表記された空中庭園を通過して、西別岳山頂に到着。ガス。ここでは登頂の達成感よりも、手持ちの水がすでにこの時点で半分になってしまった恐怖が強い(水場なんかあるわけないのだ)。
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↑西別岳山頂で10分ほど休憩し、そのまま尾根伝いに摩周岳方面へ。だんだん植生も変わって、このへんは一面に蕗が広がる光景。コロポックルいるよ。
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↑そのままだらだらとした尾根を歩いていると、前方から熊鈴の音。単独で西別岳に向かう屈強なおじさんハイカーとすれ違う。
このあたりから霧は急速に晴れてゆき、濃い緑が目に入るようになってくる。やがて、摩周湖第一展望台から延びてきた登山道と、摩周岳への分岐点。
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↑分岐点を過ぎ、摩周岳方面に近づくも、だらだらした起伏のない山道が続く。しかし目前に現れた摩周岳火口壁に、テンションは上がり始めるのだ。

しかし。山頂まで0.3キロ、という道標が出てから、そこからが摩周岳の本領発揮であった。クマザサと白樺が生い茂る岩場を、アブにつきまとわれ、ドロドロになりながらよじ登る。考えてみれば遠くから見てあの形をしていて、火口壁の裏側を登るわけなんだから、この角度は当然のことなんだけど。何度も白樺の幹に掴まって、滑落の危機から助けられる。ありがとう白樺。
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↑11:30、ついに摩周岳に登頂。山頂は八畳くらいのガレ場で、一歩足を踏み外すとカルデラに真っ逆さまなのだな。ザックを下ろして、ふうっと息を吐き出す。
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↑カルデラ。丸い。
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↑ひとしきり興奮ののち、昼食にする。山頂には羽アリの巣があり、首筋など噛まれてしまったので、人間はちょっと離れて端っこに座る。同行者(先達)がウィダーを隠し持っていて、僕に呉れる。嬉しい。あんパンも甘い。本当に。
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↑ちょっと晴れてきた。太陽が照ると摩周のブルーが深く輝く。
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↑実は上空には無数のツバメが飛んでいて、アブや羽アリやトンボを食べているようだった。ツバメ返しのひょうっ、ひょうっ、という音のほか、何の音もしない。
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↑再びここに来ることはあるのだろうか。
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↑12:30、名残惜しいがここが折り返し地点なので、下山を始める。
道すがら、美しい彩色の蝶が花にとまっていた。
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↑往きはガスが掛かって見えなかった摩周岳。降りて見返せば山頂が見える。よく登ったものだ。
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↑これもガスが晴れたおかげ。摩周岳と西別岳の中間くらいにある又牛別(マタウシベツ?)岳から振り返ると、天国的な眺望が開けていた。
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↑西別岳に戻ってくると、往きほどではないがやっぱり霧のまま。くだんの「がまん坂」は今度はだらだら下りの「逆がまん坂」となって膝に襲いかかるのであった。。
14:00、無事に西別岳登山口まで帰り着く。山道15キロを6時間だから、素人にしてはなかなかのペースじゃないかと同行者(先達)が言っていた。
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↑装備を解き、しばし達成感に浸る。そのまま養老牛温泉に直行し、この日の宿「ホテル養老牛」にチェックイン。標津川沿いの露天に入って疲れをほぐし、あとは風呂上がりにサッポロクラシックを一気に飲み干す。こんなに美味いビールもない。

+ + +

18:00 夕食。何もかも美味い。地物のじゃがいも焼酎「きよさと」を味わう。
20:30 寝てしまう前に再び露天風呂。
      ・耳を澄ましていると、シマフクロウの豊かなバスが聴こえる。
      ・2年前も聴いている。間違えようがない。
      ・ヴォーヴォウ、ヴォーヴォウ…
      ・夜の森を前に、素っ裸で湯に浸かっていると、独特の感じがする。
      ・それは、世界への所属感と言っていいかもしれない。

おしまい。
by Sonnenfleck | 2011-08-24 22:53 | 日記
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