東京に帰ってきました。雨のせいか意外に寒い●
今日の新幹線BGMは
カラヤン/ベルリン・フィルのプロコフィエフ5番。昨日久々に実家近くのなじみのCDショップを訪ねて購入したものです。
プロコフィエフ作品の中では、もうダントツに交響曲第5番が好きなんですよねえ。プロコ独特の
「上滑り躁」がいかんなく発揮されて、カラカラと空回り。これに「民族的な抒情性」なんていう解説をつけるやつぁ…どうかと思いますね^^;; むしろ
1920年代のタイムカプセルなんじゃないかと僕は考えます。第2楽章のピアノの使い方とか、めっちゃモダンですよね。
で、いままでこの曲は、
セル/クリーヴランド管の演奏を愛聴してきました。とにかくリズム感のよさが半端じゃない。この曲はシンコペーションでできてるようなものですから、縦の線がずれやすく、ずれたらずれたでもう聴くに堪えない。それを彼らは、どうしてこんなに小気味よく揃えられるのか。何度聴いてもまったく破綻が見つからないんです。
カラヤン盤は重い。でもリズムが死んでないんです。ところどころ(たぶん無意識に)レガート勝ちになるし、楽器の出す音そのものは重厚長大路線なんだけど、発音のタイミングやらバランスやらは天才的に整理されている。特に第4楽章後半に顕著な、後ろのほうからすうっ…と近づいてきて主旋律に絡みつくシンコペの副旋律の語り口の巧みなことといったら。ただ一箇所だけ(これも最終楽章)
ロンド主題を吹くClに前代未聞の下品な表情づけをさせているところ(CDでは'6"30前後)が玉に瑕ですが、それ以外の出来は完璧。セル盤にはないある種の力強い泥臭さが備わっているような気がします(むろんセル盤には、カラヤン盤にはない徹底的なクールさがあります)。カラヤンを貶す人はこういう演奏を聴いてからものを言ってるんでしょうか?…とにかく、5番の愛聴盤が一枚増えたということです◎