【2012年1月7日(土) 18:00~ サントリーホール】
<レスピーギ> ●交響詩《ローマの噴水》 ●交響詩《ローマの松》 ●交響詩《ローマの祭り》 ⇒飯森範親/東京交響楽団 面白い。とっても面白いので参加してみた。 どうだったかって? 物凄く面白い経験だった。たった525円でこの面白さ。たまらないなあ。 ノートPCを抱えた事務局の方が映って「中継盛り上がってますよ~。叩かれてなんぼのニコ動なのに凄い!」との弁が聞こえる(笑) 最後は飯森氏がカメラに向かって「これが東京交響楽団です。北海道から、沖縄から、九州から、ぜひお越しください」との完璧なコメントで〆。 + + + 演奏もね。よかったんですよ。 まず、最懸案事項であった「音質」。これがFMくらいの、全然フツーに聴けるレベルだったのが大きいなあ。自然なサントリーホールって感じで。強奏部が多少マスクされるくらいならガマンできる(自分はニコ動のプレミアム会員なんだけど、一般会員でも同じ環境だったのかどうかちょっと気になる)。 これまでに聴いた感じでは飯森氏とはなんとなく相性が悪かったのだけども、〈ジャニコロの松〉や〈五十年祭〉〈十月祭〉で聴かせたスマートで透明な響き、〈主顕祭〉でもぐちゃぐちゃにさせないリズム感覚がたいへん好印象だった。 それから東響の音色の佳いこと!《噴水》こそ、ちょっとおとそ気分でぼんやりしてたけれど、例の「プチ重厚」路線がしっかりオケの音として息づいていて、〈チルチェンセス〉がところどころ(本当に)シェーンベルクに聴こえたことを忘れないうちに書いておきたい。 + + + このクオリティならば、またすぐにでもニコ動での中継を体験したい。あるいは525円が1050円になっても全然構わないから。 実際に足を運んで身体で空気を感じるライヴとは、もちろん違う。面白さのベクトルがまったく違う、別の新しいエンターテインメントという感じがする(ワンコインでも、ちゃんとお金を払ってるし)。自分の知ってるホール・知ってるオケ・知ってる空気感が、電子の海を通して伝わってくる感覚の楽しみ。BPOのデジタルコンサートホールをドイツ国内で体験するとこういう気分だったのかな。 むろん、そこへ加わるのが「実況」という特異な楽しみ。これはニコニコ動画ならではの、日本が世界に誇る面白い文化のひとつだろう。この謎の一体感が、客席に座って感じる空気振動と等価交換できる価値を持つんじゃないかと今は思うのだ。 コメント欄にはこれからに関するヒントがいくつもあった。ご紹介。 ・東京以外の地方都市のオケこそやってみるべき。 ・中継するなら歌舞伎や文楽もありだろう。 ・自分は初心者だが、コメント欄でいろいろ教えてもらえてありがたい。 ・プログラムはPDF化してDLできるようにしてほしい。 これが2012年のライヴ聴き初め。数年前ですら、こんなスタイルが実現し得るとは想像できなかった。今年も楽しい年になりそうね。
by Sonnenfleck
| 2012-01-07 21:48
| 演奏会聴き語り
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Comments(2)
おお、これは様子がよくわかります。すばらしい!
あいにく都合がつかずアクセスできなかったんですが、ニコ動だとみんなで楽しむ雰囲気が生まれるのが、ベルリン・フィルDCHと一味違うところでしょうか。また近々やってほしいものです。
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Commented
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Sonnenfleck at 2012-01-09 12:54
>iioさん
いや、本当に面白い経験でしたよ。 いいソロがあったりすると「すげえ」だの「上手すぎるwww」だのいちいち即座に反応がありましたし、本筋からずれて「自分はここで聴いたチェリビダッケが忘れられない」などと全然関係ない雑談が始まったりもして、わいわいがやがやした楽しさに溢れていました。演奏会をライヴで見られることよりも、むしろこの「駄弁り感」にお金を払いたいなあと思ったり(笑) 今回はまたローマ三部作という、若いニコ動ユーザに多そうな吹奏楽方面からもアクセスしやすい曲目だったのも成功の一因と思いますが、ともあれ、ぜひ次を期待したいところです。
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