スダーン/東響 第597回定期演奏会<シェーンベルクプロジェクト最終回>@サントリーホール(2/25)

c0060659_1222782.jpg【2012年2月25日(土) 18:00~ サントリーホール】
●モーツァルト:Vn協奏曲第5番イ長調 K219
 ○バッハ:無伴奏Vnソナタ第3番~ラルゴ
→パク・ヘユン(Vn)
●シェーンベルク:交響詩《ペレアスとメリザンド》
 ○シェーンベルク:Hpと弦楽のためのノットゥルノ
⇒ユベール・スダーン/東京交響楽団


魂を奪われてしまった。シェーンベルクに。ぼうっとする。
僕が1905年のウィーンで初演を聴いた作曲科の学生だったと仮定すれば(毎度勝手な仮定で恐縮ですが)、そのまま楽屋に駆け込んでシェーンベルクに弟子入り志願。

ロマンティシズムって佳いなあ、と心の底から思う。
この曲に限らず、また僕が改めて言うまでもなく、そしてその作曲様式の種類を問わず、シェーンベルクが表現しているのは彼の中でぐじゅぐじゅに発酵する浪漫なんである。アルバン・ベルクだけが新ウィーン”浪漫”楽派とされて、シェーンベルクが無視されるのは納得がゆかぬよ。

+ + +

スダーン/東響は、極上のパフォーマンスをやってのけてしまった。僕がこれまでに聴いてきた国内オケの公演のなかでも、これは特に屈指の体験だったと言える。

熱に浮かされたような首席Va青木さんのソロ、ニキティンコンマスの清澄なソロ、絡み合う木管が描く蔦文様、表現主義のギッザギザが見えるTp、深いため息のようなTb。。スダーンのフェティシズムがすっかり浸透した結果だろうか、この夜の東響は本格的重厚であった。何しろオケの響きが飴色に光っていたもの!もはや「プチ」重厚と書いたら失礼に当たるくらいには、ひかひかてらてらと。

細かな評論は評論家先生方に任せよう。僕はただ、紫の浪漫煙が充満し、いろいろなキャラクタの声部がびゅうびゅうと交錯し、おまけにそれら音の線たちがとろっと光るあの空間に身を置けただけで、もう十分に満足であります。

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東響はこのあと、おそらくはこの音色を維持したまま、マーラーの歌曲プロジェクトに突入するわけだ。伝説的な完成度が期待される。定期会員になろうかなあ。
by Sonnenfleck | 2012-03-03 01:36 | 演奏会聴き語り
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