ペトルンカムイ43度(後編)

承前(前編中編)。

◆9月3日(月)続き
14:00 900草原から再び北上し、アトサヌプリ(硫黄山)へ。
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↑訪れるのは3度目か4度目だが、晴れ状態は初めてである。地獄感が増してる。

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↑空の蒼と硫黄の対比が著しいうえに、これまでより噴煙がきつい。加えて岩石からの照り返しが激しく、涙と洟が止まらない。足下には温泉がぐつぐつ湧く。

↑そして初めて、有名な「露天の卵売り爺」と出会うことができて感慨深い。噴煙口のすぐ脇にゴザを敷いて温泉卵をひさぐ爺の、「た~まーごぉー」という哀れっぽい声が青空に響き渡るのである。ああ硫黄が目に染みらあ。

15:00 いよいよマシューの湖へ。
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↑道東総決算にしてついに、摩周湖の不気味さに気がついてしまう。摩周湖第3展望台は、土産物屋がやかましい第1展望台と異なりたいへん静かな峠の上にあるのだが、それにしても刺すような静寂と、湖面を渡ってから吹き上げてくる冷ややかな風に、これまでにない恐怖を感じる。

↑展望台から降りて屈斜路湖とアトサヌプリを望む駐車場に戻ると、急に夏風と陽光と鳥と蝉の声が戻る。ああ。なんだろうこの感じ。神威だ。

16:00 這々のていで摩周湖から逃げ出し、養老牛温泉「湯宿だいいち」へ爆走。
      ・FMのさもないおしゃべりやのろのろトラックが温かい。
      ・養老牛温泉の周りはのどかな牧草地帯が続く。
      ・「湯宿だいいち」はこれまで泊まった他2軒に比べ、格段に大きい。
      ・大きくてモダンだ。よりはっきり言えば、人為の極みだ。
      ・宿の人びとのホスピタリティが高い。不思議なくらい。
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↑部屋はなんとメゾネット。人為人為。

      ・食事も美味しいし、温泉もよく設計されていて満足するしかない。
      ・ここに感じる一抹の不満はなにか。
      ・それが、僕が道東に求めているものの正体である。
      ・夜半の露天に浸かって恋しく思う、自然からの併呑感。
      ・摩周湖の神威と、それはほとんど同義なんである。
      ・お湯は身体の延長のような気がするが、錯覚だ。
      ・養老牛の真っ暗な夜の森。
      ・今年はシマフクロウの豊かなバスが聴こえない。

◆9月4日(火)
06:30 起床→ちょっと雨→朝風呂→朝食→食べ過ぎ。
09:30 最後の目的地「標津サーモン科学館」へ。
      ・ここも毎年来てるなあ。
      ・標津川の断面をそのまま見られる面白水槽がある。
      ・公開9月~なので毎年見られなかったが、今年は見られた。
      ・気の早いサケやマスがガンガン遡上している。
      ・やつらは飼われていない自然のサカナたちで、顔が恐い。
      ・ドクターフィッシュやベスカルに、今年も(嫌々)触りました。
      ・ベスカルの様子に興味があれば、こちらのブログが詳しいです。
      ・そして急に氷雨になり、気温急降下。これこそ道東クオリティ。

11:30 併設のレストランで早めの昼食。
12:45 中標津空港着。
13:55 中標津発 ANA840便 羽田行きに搭乗。
      ・エアバスのすんごい小さな機体に変更になってて焦る。
      ・揺動激烈。軋む機体。
      ・「翼の王国」の定期購読方法を教えてください誰か。

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2009年コタンクルカムイ、2011年カムイヌプリ、そして2012年ペトルンカムイで、ひとまずカムイ三部作は幕を下ろします。神威の土地・道東。新カムイ三部作は道北の島嶼部や原野なども視野に入れつつ、いずれまた。
by Sonnenfleck | 2012-09-16 00:14 | 日記
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