インバル/都響<新・マーラーツィクルス>その1@東京芸術劇場(9/15)

c0060659_6114552.jpg【2012年9月15日(土) 14:00~ 東京芸術劇場】
●ベートーヴェン:Pf協奏曲第2番変ロ長調 op.19
→上原彩子(Pf)
●マーラー:交響曲第1番ニ長調《巨人》
⇒エリアフ・インバル/東京都交響楽団


これまでの自分の聴体験を信じれば、インバルという指揮者には強く同意できる側面とそうでない部分があって、結果として、全面的に好きな指揮者とは言いにくい状況にある。熱狂t的なファンの方が多いのでなんだか申し訳ないのですが。。

インバルが新しく始めたマーラーツィクルスの、この日は記念すべき第一回。
都響のマーラーというと、みなとみらいホールでの故ベルティーニの姿があまりにも鮮明に思い出されてしまう。インバルに対して感じている上述のような思いもあって、少し複雑な気持ちなんである。

ベルティーニの晴朗にして波高からぬ、耽美なマーラーをこころの基準に置いていると、インバルのマーラーの、時には強引と思えるえぐみやしつこさには簡単には感心できない。そんな瞬間は確かに多かった。

でももう少し分解して聴いていくと、マーラーが飾り付けた第3楽章マルティン君テーマのなかのクレズマー要素を非常に的確に再現させているのがよくわかるし(ここでバスドラムに小さくて硬いヘッドのバチを用いて、チンドンの輪郭を際立たせる技などはさすがだ)第4楽章の爆発的な音量の中でも木管隊をけっして埋もれさせない立体感も好きなところだ。インバル、物凄い角度のベルアップを要求していましたね。そして終盤では明らかに後期交響曲の音が先取りされている。

+ + +

ところで今回、もっとも感銘を受けたのはベートーヴェンの第2楽章です。あの官能的肉感的なアダージョはいったい…。プロコフィエフの急速楽章専門家にして重火器系ピアニスト・アヤコウエハラ(第3楽章などあまりのぶっ叩きぶりに笑ってしまった)を包含してもなおあのアダルトな音楽!

とりあえず、ツィクルスその5の安席を会場で買ったのだった。
by Sonnenfleck | 2012-10-02 06:14 | 演奏会聴き語り
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