オール・アバウト・ハインツ・ホリガー第1夜@すみだ(10/6)

c0060659_6145013.jpg【2012年10月6日(土) 15:00~ すみだトリフォニーホール】
●モーツァルト:Ob協奏曲ハ長調 K314*
●シューマン:交響曲第2番ハ長調 op.61
●ホリガー:《音のかけら》
●ラヴェル:《ラ・ヴァルス》
⇒ハインツ・ホリガー(Ob*)/
 新日本フィルハーモニー交響楽団


秋のホリガー無双。前々日には大井浩明氏のシリーズ・POCに現れたらしいね。日本の聴衆のアンテナの高さに気がついてくれただろうか。受信する準備は整ってます。

さて、シューマンへの偏愛を思わせる第2。ホリガーってシューマンが好きなんだよね。名フィルの中の人が呟いておられたけれども、2010年の名フィル客演時のプログラムも「ラヴェル→ルトスワフスキ→自作→シューマン第1」だった。

アンサンブルはシームレスが至高!とされる世の中の風潮を前に、ホリガーの造形は縫い目も継ぎ目もありありで、グラデーションの付いた同系色の大小キューブが整然と並んでいるような面白いシューマンだった。
演算処理の素早さ、そしてキューブから成り立つことと、継ぎ目のあることに価値を置いているみたいな…しかしそれはぎこちないという意味では全くなく、デジタル処理でドット演出が施されたシューマン。うまく説明できないんだけれど…。

このドット画シューマンを土中に埋葬して骸骨にすれば、なるほど「トーンシェルベン(音のかけら)」になるは必定。シューマンでは浪漫肉の下に埋もれていた素材が骨になって沈黙の暗闇に浮かぶ。旋律は妨げられるし、呼吸は管楽器を鳴らすことなく風の音になって消えるけれども、ウェーベルンとは違う種類の豊穣。。

そしてあのシューマンの骸骨にラヴェルが肉付けを施したら、たしかにヴァルスである。なので、この日いちばんドライな空気を感じて気持ちよかったのは、最後のラヴェル。あっけらかん!

+ + +

モーツァルトは、第2楽章から第3楽章のカデンツァ手前くらいまでが老剣客のようで凄みがあった。アーティキュレーションには加齢によるものと思われる事故が散見されたし、音色も出がらしの番茶のようで華々しさはなかったが、フォルム自体が崩れることはほとんどなかった。まあ、この曲はファンサービスだとしても、シューマン→自作→ラヴェルというプログラミングはいかにも楽しかったですよ。ホリガーがやりたいように組んだんだろうねえ。
by Sonnenfleck | 2012-10-15 06:16 | 演奏会聴き語り
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