帰省中博物館/良いお年を

実家に帰ってきた。外は吹雪である。

実家の自室には、学生のころに読んでいた本をまとめて送りつけているので、その本箱を開けるとしばし、学生生活を思い起こす。森茉莉の重いフィクションとか、安部公房の厳しい短編とか、堀口大學訳詩集とか、今では手に取るとは思えない作品も多いけれど、それぞれの巻末に書き込んだ購入日と読了日の日付を眺めては、不思議な感慨にふける。

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今年は7月7日にTwitter界隈に飛び込んで、遅まきながらあの仕組みの便利さに気づかされた一年だった。Twitterを通じて、このブログを読んでいただいてきた方の何人かとお会いできたのは、思いもよらない幸せだったと言える。

またそれは、同時に、このブログを大事に思う気持ちの強い燃料ともなった。Twitterは(機動的で実行力のある策をたくさん打ち出せるにせよ)やっぱりこのブログの出先機関であって、長くてまとまりのない文章をいくら書き連ねても誰も怒らず、僕以外の誰も僕の文章を押し流さない、孤独な本丸が、僕には必要なんである。

出先機関にできることは向こうに分権したので、本丸の更新が少なくなったように見えるけれど、実はここの大切さがますます骨身にしみてきている。カフカが描いた陰気な小動物みたいに、終わりのない巣穴のメンテナンスを、来年も続けていきたいと思っている。

皆さま、今年一年、まことにありがとうございました。
来年も良い年になりますように!
by Sonnenfleck | 2012-12-31 16:30 | 日記
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