[不定期連載・歌舞伎座のクラシック者]その一の上 壽 初春大歌舞伎@新橋演舞場(1/26)

歌舞伎は謎の存在だった。

TVで観ていると見かけはオペラのようでもあり、伴奏音楽の大部分は三味線が君臨するジャパニーズな音響、役者の所作は客観的に見ても独特すぎる、上演中にも関わらず「中村屋!」「成田屋!」とかいう謎の掛け声が飛んでいる、客席は客席でお金持ちの和装おばはん連中ばっかりっぽい、必ず幕の内弁当を買わなきゃいけないような気がする、チケットの買い方もよくわからない、もう!

でも、ここ数ヶ月で能にはまり込んでからは歌舞伎への興味も少しずつ高まってきていた。能という巨大な岩盤の上に歌舞伎や文楽が繁栄しているのであれば、それらも確認しなくちゃならない。

+ + +

c0060659_5524249.jpg【2013年1月26日(土) 11:00~ 新橋演舞場】
<壽 初春大歌舞伎>
●一、 寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
→三番叟 中村梅玉
 千歳  中村魁春
 附千歳 片岡進之介
 翁 片岡我當
●二、 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)~車引
→梅王丸 坂東三津五郎
 桜丸  中村七之助
 杉王丸 坂東巳之助
 金棒引藤内 澤村由次郎
 藤原時平公 坂東彌十郎
 松王丸  中村橋之助
●三、 新古演劇十種の内 戻橋(もどりばし)
→扇折小百合実は愛宕山の鬼女 中村福助
 郎党右源太 中村児太郎
 郎党左源太 中村国生
 渡辺綱 松本幸四郎
●四、 傾城反魂香(けいせいはんごんこう)~土佐将監閑居の場
→浮世又平後に土佐又平光起 中村吉右衛門
 女房おとく 中村芝雀
 狩野雅楽之助 大谷友右衛門
 土佐修理之助 中村歌昇
 土佐将監 中村歌六
 将監北の方 中村東蔵


1 チケットを買ってみた
Twitterで先達に教えていただき、デビュー戦に選んだのは新橋演舞場の「初春大歌舞伎」。今年は1月2日から3週間以上、昼の部と夜の部を毎日繰り返していて、僕が買ったのは千秋楽26日の昼の部。初心者にもわかりやすく華々しい演目が多いというアドバイスによった。

東京では、

・歌舞伎座 ※リニューアルにつき閉館中
・新橋演舞場
・国立劇場
・その他(浅草公会堂、日生劇場などを借りて)

というあたりが歌舞伎の会場であり、このうち国立劇場以外は松竹が運営。チケットはチケットWeb松竹で簡単に買える。ちなみに国立劇場はこちら

デビュー戦でもどかしい思いをするのは自分のなかに遺恨を残すので、思い切ってサントリーやオペラシティならS席に相当する1等A席、1階の7列目を購入してみたのです。16,000円也。でもオペラに行くと思えばむしろかなり安いんだよね。これ。どうせ休憩も含めれば4時間くらい座ってることになるし。

2 出かけてみた
今回の会場は新橋演舞場。東銀座駅と築地市場駅の間くらいの、いかにも江戸港湾部っぽい場所に建っている。
建物入口でチケットをもぎって入場すると1階ロビー。お弁当や飲み物、プログラムを売る売店が所狭しと並んでいる姿は…これはNHKホールとよく似てる。NHKホールのなかにある露骨な売店や自販機が許せないとかいうクラヲタがいますが、あれはこういう施設から派生しているんだろうからむしろ正統!

座席はちゃんと椅子である。畳敷きとか枡席だったりはしない。暖色をベースに非日常が広がっている様子は、能楽堂よりはクラシックのホールに近いです。おそらく新しい建物ではないけれど、公共の施設じゃないから高級感の追求には余念がない。

客層は能を少しチャラくした感じ。つまり「≒バレエ」である。おばはんたちが主流ではあるものの、家族連れもいれば若い男女もいるし、じいさんたちも多い。そしてクラシックではマジョリティの40~50代のおじさんお一人さまが、ここではマイノリティ。

あとお弁当ね!みんな買って持ち込んでましたよ!
この日は二番目と三番目の演目の間に30分の休憩があって、そこで各自食事をする。みんなまた楽しそうになんだよねえこれが。新国立劇場のバーコーナーで高いシャンパンを啜っているお客と、どっちが幸せなのかはわからない。
僕は事前にコンビニで買っておいたカツサンドと、デザートに大福を食べました。サントリーホールでお弁当をぱくついてたら係員がすっ飛んでくるよねえ。この愉快な違和感!

+ + +

さて前段が長くなりすぎたので、ここでいったん筆を置きます。
鑑賞してどうだったかは、続き(その一の下)をご覧ください。
by Sonnenfleck | 2013-01-29 06:21 | 演奏会聴き語り
<< [不定期連載・歌舞伎座のクラシ... インバル/都響<新・マーラーツ... >>