[感想文の古漬け]スダーン/東響 第600回定期演奏会@サントリーホール(5/26)

8ヶ月ものの古漬け。発酵してます。

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c0060659_21223035.jpg【2012年5月26日(土)18:00~ サントリーホール】
<マーラーのリート・プロジェクトその2>
●モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 K385《ハフナー》
●マーラー:交響曲《大地の歌》
→ビルギット・レンメルト(MS)
 イシュトヴァーン・コヴァーチハーズィ(T)
⇒ユベール・スダーン/東京交響楽団


前半のハフナーがあまりにも名演で、気分が高揚してしまったのが記憶に残る。
アーティキュレーションの隅々までピリオドのスパイスを利かせつつも重厚な拍節感が保たれているので、あたかもカール・ベームの古い録音のような「格調高い」空気も感じるのが面白かった(東響の音色ともよく合致)。この交響曲の様式はたとえばプラハや第39番とはかなり違っているので、これはフツーにアリだよねえ。

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後半は「連作歌曲集」としての大地の歌が、より鮮やかにフォーカスされる。
スダーンとオケはきびきびした歩みが全編にわたって特徴的。歌い手がいない隙間は、歌い手の不在を補完するように濃密なテクスチュアが採用される。そして歌い手が舞い戻ると「織り」がサッと薄くなるのである。

当然のことながらそれはスコアの要求でもあるはずだが、ベートーヴェンやブルックナーと同じようにマーラーのシンフォニーを集中的に録音している指揮者たちでこの「歌曲集」を聴くと、意外にもそうした趣は感じられないんである。みんなこれを「交響曲」として捉えるということだが、スダーンはそうしなかったというわけ。

加えて、楽章間の連関があまり重視されないのも面白い。《美について》と《春に酔える者》などは濃厚なお化粧が施された結果、独立したオーケストラリートのように変貌する。そしてこうした処置は、バーンスタインの得意技でもある。。
by Sonnenfleck | 2013-02-07 21:23 | 演奏会聴き語り
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