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目白バ・ロック音楽祭:《モンセラートの朱い本》

【2005年6月6日(月)19:00〜 音楽祭クロージング・コンサート/東京カテドラル聖マリア大聖堂】
●《モンセラートの朱い本》
→アントネッロ&*ヴォーカル・アンサンブル・カペラ(助演)
 濱田芳通(指揮、リコーダー、コルネット)、石川かおり&小野萬里(フィデル)
 西川まりえ(ハープ、オルガネット)、古橋潤一(ショーム)、中村孝志(スライド・トランペット)
 七条信明(歌、リュート)、藤澤えりか&船方公子&中川洋子(歌)、和田充弘(打楽器)、小澤高志(ダンス)
 花井哲郎*(歌、オルガネット)、花井尚美*&青木洋也*&及川豊*(歌)


5月17日のエントリで紹介した目白バ・ロック音楽祭。期間の長さ(5月23日〜6月6日)に対して公演数が少なく、音楽祭というよりは単発公演の相互扶助といった感がありましたが、昨日、その閉幕コンサートを聴いてきました。

まず会場となった東京カテドラル。先頃亡くなったモダニスム建築の巨人、丹下健三氏の代表作であるこの大聖堂の中に入ったのは今回が初めてですが、その非常に衝撃的な内部構造に唖然。開演前からアドレナリン大放出です。

目白バ・ロック音楽祭:《モンセラートの朱い本》_c0060659_1233243.jpg《モンセラートの朱い本》は、バルセロナ近郊にあるモンセラート修道院の図書館に保管されていた14世紀音楽の写本です。この写本に記されているのは全10曲の宗教歌ですが、これらはいずれも修道院への巡礼者たちがマリアを讃えて歌い踊るためのものであったため、往事の俗謡に近い泥臭さや素朴さを備えた曲集となっています。

グレゴリオ聖歌による神秘的な導入ののち、扇情的なパーカッションのリズムに支配された力強い歌が始まります。そう、まさに「うた」。普段聴き慣れている西洋式の発声とは明らかに異質な地声の響き。それに絡む濱田氏のコルネットはソプラノ・サックスのような荒々しいうねりを見せ、目眩がするような雰囲気が堂を満たします。ここはいったいどこだ?
そうかと思うと、かそけきハープの独奏。そしてヴォーカル・アンサンブル・カペラのメンバーによる涼やかなモテット。うーん…なるほど…。こういう典礼作品っていうのは確かに残響過多な場所を想定しているんですね。
忘れちゃいけないのは、お約束の仮面の道化。最初はひとりで踊り始めるも、演奏者にちょっかいを出したり、お客に触ったり…。最後は10人以上の聴衆を客席から引っぱり出して一緒に踊らせるというきわどい演出で会場を笑いの渦に巻き込みます。僕も目が合って危うく連れ出されそうになりましたが(笑)

愉しかったっ。もうそれだけです。
by Sonnenfleck | 2005-06-07 13:02 | 演奏会聴き語り | Comments(0)
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