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西瓜糖だったあの日々

西瓜糖だったあの日々_c0060659_89420.jpg毎年この時期になると伝説の「ペプシ アイスキューカンバー」を思い出して感傷に浸るのですが、10年代前半も半ばが過ぎようとしているこの夏、もうちょっとだけ洗練されたウリ系飲料がコンビニの棚に並んでいました。

もともとスイカの味を好まないのにスイカの風情だけは好きなので、まずパッケージのインパクトにまず嬉しくなっちゃう。
それからキャップをぐねりと捻って液体の匂いを嗅ぐと、あの懐かしき「夏はやっぱりスイカバー」と完全に同じスイカの香りが漂ってきて、口に含んでも、喉の奥に落としても、鼻に抜けるのはノスタルジックな少年時代の思い出。そのうち山でヒグラシが鳴き始めて、庭木に水を撒いて、夕ごはんが待っている。。

いつも水っぽい「小岩井純水」シリーズなのに、なぜかここでは夏の夜のスイカ的気分をぎゅっと凝縮した素晴らしい仕上がり。純水シリーズ最高の完成度に達しているのでは。。
by Sonnenfleck | 2013-07-21 08:10 | ジャンクなんて... | Comments(6)
Commented by 木曽のあばら屋 at 2013-07-21 22:07 x
こんにちは。
ブローディガン「西瓜糖の日々」
不思議な小説です・・・・よくわかりません。
でも不思議な魅力のある小説です。
「純水すいか」・・・見かけたら飲んでみます。
Commented by 通りすがり at 2013-07-22 11:54 x
うわ。
今、コンサート閑散期につき、100冊近くに膨れ上がった未読在庫を消化すべく、ラテンアメリカしばりでせっせとリョサとか読んでいるところなのに、ブローティガンを再読したくなってしまったじゃないですか~。どうしてくれます???ま、すぐ読めるからいいか^^;
勝手な言いがかりですみません。
Commented by Sonnenfleck at 2013-07-24 09:50
>木曽のあばら屋さん
河出書房新社はキリンとタイアップして思い切り攻勢を掛ければよかったのになあ…などとぼんやり考えます。「純水すいか」はあの小説の静かな後味・醒めた雰囲気とも近い味わいですよ。ぜひ。
Commented by Sonnenfleck at 2013-07-24 09:56
>通りすがりさん
ブローティガンネタに食いついてくださる方がたくさんいて嬉しいです(ラテンアメリカから西海岸は少し遠いですが…笑)。
自分も大学生のときに一度読んで以来ずっとご無沙汰なので、積ん読の隙間にこっそり読んじゃおうかなあと思います。
Commented by 通りすがり at 2013-07-24 14:43 x
「すいかざとう」ではなく「すいかとう」。
清音だけで仕上げた透明感が、「西瓜」にも「ブローティガンの世界」にも、またそれぞれへの「思い入れの記憶」にも通じていくという。名訳ですね。そういう意味で、翻訳とクラシック演奏って少し似ているような気がしています。ところで、今読んでいる「フリアとシナリオライター」、訳者あとがきが「阿佐ヶ谷 西瓜糖にて」という一文で結ばれていました。かつてそういう名前のお店があったみたい。不思議な符合。やはり再読するしかなさそうです。思い出させてくれて有り難うございました♪
Commented by Sonnenfleck at 2013-07-24 21:50
>通りすがりさん
ああ…そのとおりですね。清音仕立ての静かな世界です。本当に素晴らしいクラシック音楽演奏というのは、演奏の良さよりも作品そのものの良さを認識させることが多いのですが、良い小説同様、そうたくさん出会えるものではありませんよね。
「西瓜糖の日々」に(きっと)惹かれた方のお店なら訪れてみたいものですが、2008年に閉店してしまったみたいですね。残念です。
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