いくつかのご報告とこのブログの今後について

4月に隣家の柿の木が切り倒されてからというもの、僕の身辺にはじつに多くのことが起こった。柿の木はその大きな枝ぶりによって、まるで僕の人生が先に進むのを食い止めてくれていたようだったが、そのありさまは最後まで象徴的だったと言える。そうして時間は堰き止められずに進んでゆくことになった。

◆1 引っ越しました
柿の木が伐られた翌週、上司は僕を会議室に呼んで異動を命じた。二度目の名古屋であった。
半月の間、慌ててさまざまの支度をし、本を売りCDを段ボール箱に詰め、東京の寓居を引き払うことになった。この住まいは大震災を経験した場所でもあったし、何よりも20代の楽しい時間をひとりで過ごした場所でもあった。地震で落ちたテレビが作った床の凹みを見下ろしながら、まことに思い出は尽きない。この狭い部屋が僕の庭であった。

そしていま、僕は名古屋のマンションの一室からこのブログを書いている。前の名古屋の家は静かな住宅地のなかにあったが、今度の家は繁華街の外れにあって、たまに酔っぱらいの楽しそうな声が聞こえる。窓の外を眺めても柿の木はないけれど時間が流れているのがよく見える。そういうことだ。

◆2 結婚しました
人生はわからぬもので、この転勤を機にえいやっと結婚してしまいました。勢いよく時間の流れに漕ぎ出すことも大切ですね。
このブログを始めたのは僕が大学3年生、21歳のころだったのだけど、自分が結婚するまでこの場所をちゃんと守ることになろうとは、当時は考えなかったなあ。

◆3 このブログの今後について
時間は流れる。
ますます仕事に忙殺され、細切れの藝術体験(それは、しかしそれでも感性を刺激するのだが)と、Twitterの小さな文章に満足する9年後の僕は、それでもこのブログをやめません。定期的な更新が途絶えてもはや久しく、初めて訪れるユニークユーザがここを廃墟のようだと感じたとしても、ここは僕の庭であり続けます。いまでは僕の庭に根を張った柿の木が、風をはらんでさわさわと揺れています。

ときどき思い出したように更新するかもしれません。でもそれは誰かのためではなく、僕のためです。

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by Sonnenfleck | 2014-07-10 20:49 | 日記
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