精神と時のお買い物XXXIV(Twitterが落ちているその2分間)

その2分間は僕に本店のことを思い出させる。

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【BOOKOFF某店】
1 "Songs of Desire"(PHILIPS) *オルガ・ボロディナ+ラリッサ・ゲルギエヴァ
2 星野道夫『旅をする木』(文春文庫)
3 上原善広『異邦人 世界の辺境を旅する』(文春文庫)
4 武田龍夫『宮中物語 元式部官の回想』(中公文庫)

【サウンドベイ金山店】
5 "LANG LANG Live in Vienna"(Sony) *ラン・ラン

1は、オルガ・ボロディナのロシア歌曲集。バラキレフやキュイの歌曲は秋の情緒を呼び込むはず。名古屋はまだ夏の出口を行ったり来たりしているわけだが。PHILIPSの地味なアルバム探索は今やBOOKOFFを巡る楽しみのひとつで、イ・ムジチとホリガーとマリナーの木立から何か不思議なものを見つけ出す嗅覚が必要とされている。
ところでPHILIPSのジャケットは、DECCAの強い赤青を念頭に置かない渋い色調が多いですよね。DECCAのロゴが付いたPHILIPS原盤のアルバムはだいぶ悲惨なアートワークになっていると思うんであります。

2。カムチャツカで熊に食べられて亡くなった写真家・探検家の星野道夫氏。これまでに読んできたいくつかのノンフィクションが星野氏の著作の上で交差し始めており、彼の紀行文に正面から向き合うときが来ていると判断。『のだめカンタービレ』全25巻が1冊5円で引き取られていったその代金がアラスカの詩作に化ける。

3。『日本の路地を旅する』が猛烈に面白かった上原氏による、世界の被差別部落を旅するルポ。目前の事象と自分の過去を同化しながら、ルポであり私小説でもある「路地」を描く手段が海外ルポで通用するのか、またまったく異なるアプローチをしているのか。

4。武田氏は外務官僚ながら宮内庁に勤務した経験を持つ御仁。完全に内側の人物ではなく少し外側の人物によって描かれた宮廷の様子が知りたい。夏休みに読んだ半藤一利『日本のいちばん長い日』以降、出光美術館のソファから近くて遠い桜田門と宮内庁を眺め、2015年のいまでも不可侵の森について興味が湧いているんである。

5。ラン・ランが好きな自分は、ユジャ・ワンにない「計算を感じさせないくらい極めて巧妙に計算された」天真爛漫さを彼に求めている。
モーツァルトアルバムでラン・ランが達している異様な軽さとドライな空気はシュタイアーよりもベザイデンホウトよりも「ピリオド的」だと感じるので、ピリオド界隈専門の皆さんはモーツァルトアルバムを進んで買ってみるべきと思います。アーノンクールとのコンチェルトも2枚目についているしね~(そちらはもしかすると両者にとって挑戦だったかもしれないけれど)
by Sonnenfleck | 2015-09-02 22:56 | 精神と時のお買い物
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