つくばエクスプレスに乗りたい。ついでに流山で旨いみりんを買いたい。
さてチェチーリア・バルトリという歌手は、よく知られているように90年代における後期バロック〜古典派(特にグルック、ハイドン)のオペラ上演には欠かせぬ逸材でありました。彼女の強靱な腹筋と喉はどんなに技巧的なパッセージをも易々と歌い上げるし、
非常に肉感的な(そして暗さがない)あの声質によって表現される「感情の型」の世界は、今でもなお他の追随を絶対に許さないと思います(メゾソプラノという声に重たいニュアンスを期待する聴き手にはあんまり人気がない…のは仕方がないのかな>僕は彼女の声が大好きなんですが)。
このアルバムは99年の録音。
イル・ジャルディーノ・アルモニコの表現主義的な(笑)伴奏をバックに、オール・ヴィヴァルディ・プログラムでガシガシ攻めてきます。
トラック1
《テンペーのドリッラ》のアリア〈そよ風のささやきに〉は、春の訪れを寿ぐ牧人たちの歌。メロディは《春》第1楽章の「あの旋律」が整合性を持って巧ーく転用されてます。トラック11
《ファルナーチェ》のアリア〈凍りついたようにあらゆる血管を〉での暗鬱な歌い込み(しかしこれはあくまでバロック的な
ポーズ>歌舞伎と一緒ですね)。そしてトラック12
《バヤゼット》のアリア〈海もまた船を沈めようとするかのように〉は当アルバムの白眉。吹きすさぶ海の嵐の様子を完っ璧なコロラトゥーラで歌うバルトリ姐さんにメロメロですー。こうなると
「サリエリ・アルバム」も気になるところ。