チチコフ、帰る。

c0060659_0545899.gifいつもコメントをくださるiustitiaさんから教えていただいたのですが、今月、ゴーゴリの『死せる魂』上中下巻復刊されます!やたっ!

僕はこの作品がゴーゴリの最高傑作だと思っています。
作者が変なオカルティズムにはまり込んで物語の後半を焼き捨ててしまったため、死せる魂=死んだ農奴の戸籍を集めて歩く主人公チチコフがどのような末路を辿るのかは結局わからないのですが、少なくとも彼が掛け合うことになるロシアの地主たちの醜悪な様子は大いに笑いを誘う。しかもドストエフスキーのように告発を目的にした恨みがましい調子ではなく、あくまでスラップスティック的に乾いているのがステキです。

日本で一般に考えられている以上に、ロシア人にとってゴーゴリの存在は大きいのではないかと思うのですよ。「われわれは『外套』から出た」っていうのは本当はドストエフスキーの言葉じゃあないらしいんですが、ゴーゴリのようにグロテスクなドタバタを下品に笑うスタイルは、ブルガーコフにもショスタコにも、どろどろと流れ込んでいるのじゃないでしょうか。
(*なお同時復刊される『ディカーニカ近郷夜話』はさらにワイルドな魅力たっぷりという噂です。ご一緒にぜひ。)
by Sonnenfleck | 2006-02-10 01:25 | 日記
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