甲賀一宏/横浜交響楽団 「フランス六人組の作曲家たち」

c0060659_21565486.jpg【2006年3月15日(水)19:00~ 第589回定期演奏会/神奈川県立音楽堂】
●オネゲル:《パシフィック231》
●ミヨー:《プロヴァンス組曲》
●プーランク:Pf協奏曲嬰ハ短調
  ○アンコール 同:《プレスト》
→佐藤卓史(Pf)
●同:バレエ組曲《牝鹿》


応援しているピアニスト佐藤卓史がソロに登場ということで、桜木町まで出かけてきました。
それにしても。
アマオケの感想文を書くというのは、リアルで「情に棹せば流される」の世界であります。どこまで書いていいのか倫理的な迷いもあるし、おまけに自分自身ヘタクソなチェロをアマで弾いてたっていうこともあって、なかなか普通の感想文に仕立てるのが難しい。普段は偏狭で高飛車なヲタリスナー視点で書いてますけど、アマオケを聴いてるとだんだん同情的なプレイヤー視点に侵食されてくるわけです。…当夜の感想は緩めに。。

1曲目はオネゲルの《パシフィック231》。
変奏曲である《パシフィック231》は拍子の激しい交替が特徴ですから、まだ緊張も残ってるであろう一曲目ではやはりアンサンブルがやばい…。拍子が変わるたびにカオスでした^^;; でも冒頭、弦のフラジオの音色がすばらしく非人間的で大変よかった。器械が軋みながら発進する。
2曲目はミヨーの《プロヴァンス組曲》。
南仏民謡とカンプラと複調のミクスチュアということで、素直に楽しい感じです。時折訪れる危機も、、南国気分で乗り越えればなんくるないさっ。ピッコロとタムタムが跳ね回る終曲は《アルルの女》へのオマージュかな。ここで休憩。

後半はまずプーランクのPf協奏曲、ソロに佐藤卓史登場であります。
いつものように理知的で円やかに美しい高音、、の隙間を縫って激しく打ち込まれる低音に今回は非常に感心しました。プーランクの苦々しさを表現する前にオケはかなりきつそうでしたが、ソロはそのぶんを補って余りある峻厳なタッチを聴かせてくれましたですよ。
アンコールの《プレスト》は絶好調でありました。贔屓の引き倒しにならないようにしなくちゃいけないけれど、これは本当によかった。クルクルと飛び回る羽虫のようなかわいらしさを、持ち味の軽快な打鍵でもって見事に表現。ブラヴォ。

最後は同じくプーランクの《牝鹿》。
全プログラム中これが一番完成度が高かったですね。ラグタイムが突然侵入してきたり、急にしっとりしたり、他の曲と比べてもけっして技術的に簡単というわけではないと思いますが、安心して聴けるアンサンブルになっていたと思います。特にTpがよく通ってすばらしかった。

* * * * * *

20世紀の作品が好きなものでいろいろと節操なく聴いてきましたが、フランスものにはなぜかあまり縁がなく、もっと勉強しなきゃなあと思う次第。特に六人組のあたりは音楽だけ聴いてればいいというものでもなく、その背景に詩やら演劇やら舞踏やらがゴタゴタとくっついてくるので、本質的に怠惰な人間である僕など大いに恐れをなすのでした。
(*このへんのことを勉強しようと思っても、困ったことにものの本は大抵ある程度以上の知識を前提にしているんですよね…。でも僕のような哀れなクラヲタを救ってくれるのが、てつわんこさんが「神戸阪神地域芸術文化情報」で現在展開されているプーランクとオネゲルのシリーズであります!今後とも激しく楽しみにしております◎)
by Sonnenfleck | 2006-03-15 22:30 | 演奏会聴き語り
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