名古屋フィル 第324回定期

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カテゴリ【演奏会聴き語り】は本来追い越し禁止ですが、先日のBCJ名古屋公演はPCから投稿したいのでとりあえず後回し。先に名フィル定期について書いてしまいます。

【2006年4月22日(土)16:00~ 愛知県芸術劇場コンサートホール】
●ニコラス・モー:《春の音楽》(1982/日本初演)
●ベートーヴェン:Pf協奏曲第5番変ホ長調 Op.73 《皇帝》
→ユーチィア・ワン(Pf)
●ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》
→マイケル・スターン/名古屋フィル

つい一ヵ月ほど前、名フィルが音楽監督の沼尻竜典とともに行なった東京公演は、趣味のいいプログラミングと完成度の高さで東京のリスナーを驚かせたようです。僕は聴きに行けなかったけれど、特に後半、ブラームス/シェーンベルクの《Pf四重奏曲》は相当に熱かったらしい。…というわけで初の名フィルに期待しつつ栄の愛知県芸術劇場へ(しかしやはり道に迷う)。

今回の指揮者マイケル・スターンはアイザックの息子。リヨン管やザールブリュッケン放送響の首席指揮者を務めた中堅、らしいです。

最初の《春の音楽》は「ハルサイとは春つながりでしょ?」程度の散漫な小品。ロマン回帰に媚を売った温いゲンオンでした。

《皇帝》はピアニストだけじゃなくオケも裸にされる恐ろしい協奏曲ですが、どうやら名フィルはかなり剛毅な音の出るオケであるらしく、最初から分厚い響きが飛び出します。しかし肝心のピアニストが、、非常にまずい。
なんというか、貧しいんですよ。歌い方が三種類くらいしかなくて、それをどうにか組み合わせているだけ、おまけに音色は能天気に明るいままずーっと変わらないので…機械というより器械程度。さらに悪いことにしばしばテンポを異常に揺らすので、オケとまったく噛み合わない。それでもスターンはぴたりと張りついていきますが、オケは大混乱で崩壊間際でした。あれでなんでブラヴォーが飛ぶかなあ。名古屋の人はスリリングな演奏が好きなんだろうか。。

後半、ずたぼろだったらどうしようかと意気消沈してハルサイを迎えます。
しかし。
明らかに前半とは気合いの入り方が違う。
荒々しいけどタフな木管、馬力のある重厚な金管、「重くて早い」打楽器、粘り着くような弦、在京オケになんら劣らないどころか、むしろ日本のオケ離れしたゴージャスな響き。びっくりです。スターンは取り立てて変わった指示は出してませんでしたが、気になるようなミスもなく、熱気を帯びた名演だったと断言できます。いいものを聴かせてもらった。
これが名フィルの地力なのか、はなまた指揮者スターンによる薫陶の成果なのか、いかんせんサンプル数が少なすぎるのでよくわからんのですが、今後判明するのだろうという感じで結んどきます。

でも来月の定期はコバケンの《わが祖国》ということで、、行こうかどうか迷うなあ(ー_ー;)
by Sonnenfleck | 2006-04-22 20:55 | 演奏会聴き語り
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