ボク的にはありえないくらいアクティブなのですが…。昨日は名古屋から北上し飛騨高山へ、しかるのち北アルプス穂高岳の麓まで行ってまいりました。 梅雨末期ということで当然のごとく雨模様、しかも意外に湿度が高いのです。名古屋の残酷な暑気を忘れさすような高原的爽快を期待しておったので残念● 写真は、林道に入って少し前進したところから右俣谷の奥を眺めたところ。谷に沿って山を登るこの林道の路肩には高山植物でも生えているのかしらと思いましたが、路肩は登山者に優しいようにブロックで固められ、道はコンクリ舗装の上からお情けに砂利を撒いた醜い有り様。。見えるのは谷の中の羊歯ぐらいでありました。僕がシュトラウスだったら羊歯の主題のひとつでも書いてやるところです。まったく。 開発されたところが朽ちると、実に空しい。寒々しい。そんな暑気払いかよ。 てなわけで、今朝は冷房がガンガンに効いた部屋で究極のインドア登山。 ケンペ/シュターツカペレ・ドレスデンの演奏に対して、「燻し銀」の形容は必ずしも適当ではないと思うのです。 この場合耳を傾けるべきは、総体としてまとまったオケの美しい音色ではなく、怒り狂ったような金管の荒々しい身振りと…粗野な弦の威力なのじゃないかな。もちろん各パートのソロなんか異様に生々しく繊細なのは間違いないんですが、それを覆って余りある、威圧的な金管の雰囲気。厳しい自然。昔からどうしてこの録音が「標準」のように「推薦」されるのか不思議に感じてたんですよ。 もっと巧妙にコントロールされて、もっと滑らかに磨かれた演奏は他にいくらでもあると思うんですが、ケンペ盤はそのワイルドさ・益荒男振が第一の魅力。
by Sonnenfleck
| 2006-07-16 09:44
| 絵日記
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Comments(8)
こんばんは。
穂高の麓までいかれたんですか・・・。 ちょっとした冒険ですね。何か羨ましいなあ。 >ケンペ/シュターツカペレ・ドレスデンの演奏に対して、「燻し銀」の形容は必ずしも適当ではないと思うのです まったく同感です。どうやら、オケのキャッチフレーズとごちゃごちゃになっているふしがありますね。この演奏はケンペらしい、一本筋のとおった気骨のある演奏だと思います。
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Sonnenfleck at 2006-07-16 22:35
>romaniさん
そうですね。。こちらはけっこう冒険のつもりで向かったんですが、現地は「冒険しやすいように」整備されていて(しかも手入れが行き届かず荒れていたりして)、興ざめでした(笑) アルプス交響曲でケンペは、オケの円やかな音色をあえてけば立たせているように感じますね。おっしゃるとおり、そうすることで骨格がはっきりと浮き出て特徴ある明解な音響になっていると思います。
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pfaelzerwein
at 2006-07-18 17:23
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私はこの演奏は知らないのですが、シリーズからLP一枚を所蔵しています。この初の管弦楽全集?の制作企画過程は調べると面白そうです。
此処での評価はシュターツカペレの特徴をも表していそうです。シノポリ指揮の時もそうでしたが、どうしてもテクスチュアーが込み入る箇所になると団子になってしまいます。ヴィーン楽団が上手く近代化して行った時期がDDRであったのが今でも尾を引いているのかもしれません。 他の楽団ですがケンペ指揮では大変出来の悪いLPを所持していて、そもそもこの指揮者の個性が機能性を必要としないアンサンブル作りではなかったかと思うのです。 ドレスデンに戻れば、シュトラウスやベーム監督の黄金時代から、少なくとも発展する事は無かったのではないかと言うのが私見です。個人的には優秀な演奏家も居り、ドイツ最高の歴史的劇場管弦楽団には違いありませんが。 因みに私はこの曲をショルティー指揮のものに続いて、作曲家指揮のものを流しはじめましたが、結構良さそうです。スコア如きに書き表されていないものが一杯です。
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Sonnenfleck at 2006-07-18 20:34
>pfaelzerweinさん
このオーケストラは日本では非常な人気を勝ち得ていて、私なんかは正直イマイチついていけない感があります。ただ、独特の音をしているのは間違いないと思うんですが、「団子」をむしろ美徳としているんじゃないか…もしかすると「団子」の「感覚的な音の配合」が独特の音の生成に一役買ってるのか、とも。 その「感覚的な音の配合」がまさしく感覚的であるがゆえに、そしてそれがDDR時代を通じて失われなかったがために、今日の姿があるのかもしれません。私はケンペをあまり聴いたことがないのですが、ご指摘のことはなんとなくイメージできます。少なくとも当該曲では彼はほとんど何の指示も出していないのかなと思います。 シュトラウスの録音!自作自演を楽しむときは、自分が演奏家でなくてよかったとつくづく思います(笑)
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yurikamome122 at 2006-07-23 14:11
「音が団子」は録音のせいではないかと。一度しかないですが実演を聴いた限りの印象は、VPOのほうがオケとしてこじんまりといした印象がありました。ドレスデンのシュターツカペレのスケール感はものすごかったです。オケが3倍くらいに拡がっているように感じて、しかもヴァイオリン、ヴィオラの美しさと、それを支える低音群の分離のいい音色は今でもはっきり覚えています。それと木管群の美しさに、鋭くならない金管の深い響き。もう20年くらい前の話ですが、あんなオケがこの世にあるのがすごくシックでした。
ちなみに私はこの曲はやはりケンペでも持っていますがコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したハイティンクが大好きです。
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Sonnenfleck at 2006-07-23 15:25
>yurikamome122さん
どうもです。 件の「団子」なんですが、ヨッフムのブルックナー全集でも同じことを感じてしまうんですよ。オケの(特におっしゃるとおり弦の)音色は間違いなく美しいんですが、金管が加わった総奏になると見事に固まりになってしまって…。しかしケンペのシュトラウスもこのヨッフムも両方EMIの録音である、ということが原因なのかもしれません。いかんせん生でシュターツカペレ・ドレスデンを聴いたことがないので結局のところ何も確証は持てないわけですが、、「オケが3倍」はぜひとも体験してみたい!しかし今秋の?来日公演は未だに情報がまったく出ませんねえ。
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yurikamome122 at 2006-07-23 18:47
ヨッフムのあの全集は私も大好きな全集ですが、そうなんですよ。あの全集の中でもわりと新しい録音の2番、5番はまだ少しはマシなのですが、8番9番などはやはりそんな印象ですよね。ブロムシュテットの4番、7番はお聴きになったことありますか?。4番の1楽章、第3主題の直前の金管の強奏、あと4楽章の集結部などは実際の印象はこちらの近かったです。でも今はいけません。あのヒゲがすべてをぶち壊しました。わずかに片鱗が残るだけです、残念ですが。
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Sonnenfleck at 2006-07-23 21:48
>yurikamome122さん
ブロムシュテット/SKDのブルックナー、実は未聴なんです^^;; 自分の中でSKDのイメージを形成するのに寄与しているのは件のヨッフム全集なので…やはりこちらの演奏も聴いてみなければいかんですね。。 ヒゲ氏とこのオケの演奏も未体験ですが、なんとなく、、おっしゃることはわかるような気がします。彼にはもっと別のタイプのオケがよかったのかもしれません●
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