名古屋フィル 第327回定期

c0060659_90548.jpg【2006年7月22日(土)16:00~ 第327回定演/愛知県芸術劇場】
●マーラー:交響曲第2番ハ短調《復活》
→澤畑恵美(S)、林美智子(MS)
  グリーン・エコー、名古屋コール・ハーモニア
⇒モーシェ・アツモン/名古屋フィルハーモニー交響楽団


名古屋ではおとといの木曜、小澤征爾が「復活」公演を行なったのですけど(自分はチケット完売で行かれず)、そのときの曲目もマーラーの《復活》。名フィルも同曲を金・土と取り上げたので、東海圏の《復活》フリークはその気になれば3夜連続でこの作品を浴びることができたわけです。いやーまったく羨ましい、、というわけではないのが、本日のお話。

この《復活》という曲、何度聴いてもいいと思わないのですよ。
このままクラヲタ人生を安楽に送ることができたとしても、この曲を好きだと感じることはたぶんないと思う。ここにあるもののほとんどはマーラーの他の曲においてもっとずっと巧く調理されているので、わざわざプロトタイプを聴くこともなかろう、と感じてしまうのです。
でもマーラー作品の中では間違いなく人気があるほうに属すし、録音は何十種類と存在するし、オケの定演でも普通に取り上げられるぜ?あ?ということを考えるまでもなく、これは僕が鈍いということに起因していると考えるのがもっとも平和的な落としどころです。。

さて。
これまで聴いた2度の名フィル定期でも実は薄々感じていたことではありますが…。今回、第1楽章の冒頭主題は、このオケの合奏面における機能的な限界を残酷にも明らかにしていたように感じました。アツモンはけっこう厳しい速さを要求しているんですが、オケのほうはまったく揃わない。特に最初に登場したKbからはありえない音が飛び出していましたよ?力を込めすぎて隣の弦に触ってしまったみたいな。
でもこれを仕方ないとは考えたくないのです。相変わらず力感、アタックに対する真摯な情熱は十分だし、あとはパート内での合奏精度がさらに上がれば。。
第2、第3楽章は、ここで「ためる」...と自分が考えていたところがことごとく鮮やかにスルーされてしまいまして、むしろ逆にアツモンという指揮者の面白さがわかった格好です。この人はマーラーのグロテスクなリズムやささくれ立った旋律をほぼ無視し、代わってスマートな流線型の響きを目指しているようです(ちょっと単調な雰囲気は否めないのだけど)。しかしここのアンサンブル(特に木管)はナイスでした。

第4、第5楽章は林さん・澤畑さんお二人のナチュラルな美しい歌い口が素直に心地よかった。このへんは僕のような《復活》嫌いの単細胞にも作品自体のよさが伝わるようです。
合唱団は半アマ半プロなのかな、、きわめて正直な話ちょっと心配だったのは事実なんですが、実際に聴いてみますと弱音が非常に柔らかく繊細で、好感が持てました。
ひとところに立ち止まらない(贅沢な和音のご開帳で聴かせるわけではないので、かなり控えめに聴こえるけど…)というアツモンの指揮は最後に至ってプラスに働いたようで、鬱陶しくもしつこくもない、小ぶりでもスピード感のある演奏に仕上がっていたように思います(それがこのオケの特性と合致していたかどうかはまったく別問題ですが)。

んん…でもやっぱり…同じような素材、似たような展開なら第3や第7を聴くなあ(^ヘ^;)
というわけで《復活》ファンの皆さま、スイマセンでした。
by Sonnenfleck | 2006-07-23 09:07 | 演奏会聴き語り
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