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ある猫の死と、非生産的思い出話

老舗掲示板「クラシック招き猫」、今夜をもって休止となります。

あのサイトに出会ったのは、自分がインターネットをやり始めたばかりのころなので…99年か2000年のことだと思います。yahooで検索をかけて(まだGoogleを知らなかったはずだから...)、クラシック音楽を扱ったサイトで最初に発見したのが、「クラシック招き猫」でした。
(*「無印」だった当時は赤と桃色がトップページのテーマでしたね。)
アクセスしてそれはもう仰天ですよ。レコ芸的に硬直した鑑賞スタンスしか知らなかった僕にとって、ネットの海を自在に泳ぐ投稿者たちの姿は本当に新鮮で。。毎日帰宅しては新着レスを楽しみにPCを立ち上げるのが日課になったのは…説明するまでもないでしょう。

そのうち、調子に乗っていくつかスレッドを立てることにもなりました。
トスカニーニのお薦めを訊いたのが個人的には強く印象に残ってます。
当時のログは不注意から捨ててしまったので、内容はもはや記憶の彼方ですが。あの場で見知らぬクラシックファンたちと語り合った喜び、、あれをもう一度体験せんがため、今また毎日、こうして文字を書き綴っているのかもしれません。

しかし、雑談ブースであった「カフェテリア」が廃されて「ver.2」になったころから、投稿者として参加することはなくなっていきました。僕自身の私生活の変化が重なったのもありますが、あのころから展開される話題とそれに対する反応がしばしばループするようになり、当初の新鮮味が減じたのも大きな原因かなと。それでもROMとしてこの5年間、投稿者の移り変わりと雰囲気の変化を実際にこの目で確かめてきたつもりであります。

「閉鎖発表」直前、2006年の5月6月のありさまは、かつて「猫」を楽しんだ人間にとっては目も当てられない状況でありました。投稿者が現れずゴーストタウン化した「盤ごはん」、幼稚な喧嘩が絶えない「余韻館」、陰惨な皮肉が乱れ飛ぶサロン「散歩道」。
「やむなし」というのが「招き猫」休止に対する僕の最もフランクな感想です。戦犯を吊るし上げようとか、原因を突き詰めようとか、それはどなたかお好きな方がやってくださればいい。楽しかった場所が荒れ果てるのを見ているのは、正直もう嫌でした。
(*戦場に出るのやめて砦に篭った人間の無責任なつぶやきですけどね。ただノスタルジーに浸ってるだけであり、今回のことを一般化しようとか、何か物申そうとか、そういう気はまったくありませんのでご承知おきください。)

すでに本スレには昔のHNで感謝の言葉を残してきましたが、もう一度繰り返します。何を措いても、ひとりで全責任を全うされてきた甲斐管理人に、長い間お疲れさまでしたと言いたい。そしてあの場を盛り上げたすべてのファン・マニア・論客・ヲタに、心からのありがとうを。
by Sonnenfleck | 2006-07-31 21:58 | 日記 | Comments(0)
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