今タケミツが熱い(6週目)

c0060659_2321568.gif武満だと思われた方、今回は残念でした。

1ヶ月ほど前に『ビッグコミックスピリッツ』に連載を開始した『竹光侍』(松本大洋氏作画・永福一成氏原作)という作品があるんですけど、その異常な画風と演出の素晴らしさにここ6週間唸らされっぱなしなのです。
江戸。聖痴愚めいた謎の侍・瀬能宗一郎の奇行と、それをとりまく市井の人々のなんということはない日々を一話完結で描いている、、ようなんだけど、果たしてただそれだけのストーリーなのかどうか、いまだに判断がつきません。今週は瀬能が矢場(射的屋さん兼オトナの社交場ですな)に乗り込んで矢を打つうちに、矢場の女もろとも雪山に飛んで猪や鹿を狩ることになるというトンデモな展開で…ストーリーの行き先はまたもシュルレアリスム的に攪乱されてしまいました。

しかし(こうやってストーリーだけ書くと大して面白くなさそうなんだけど、、)僕が嵌り込んでいるのはこのマンガの演出なんですよ。
ギクシャクとした太い黒線で構成された人物と、真っ白で何も描かれない背景は完璧に非コミック的で、ほとんど浮世絵のパロディのように見える。
吹き出しをあまり用いずにコマの中に文字を直接浮かべる手法もまた人を食った説明書きのようであり、先日の若冲展で見た「この虎は中国画の模写です」という若冲の断り書きに似て何とも味わい深いのです。そして何が現実で何が幻覚か、境界を説明しない奇妙な描写。瀬能はあるいは人でないのかもしれない。

世に出てまだ6週間だとネット上にも絵は転がっていないし、この味わいを文字で伝え切れている気がまったくせず大変悔しいのですが…気になる方は近所のコンビニに走って、とりあえず表紙のグラビアには目をつぶって(笑) 立ち読みしてみてください。『スピリッツ』の中で明らかにこの作品の載ってるページだけ浮いてて可笑しいですよ。
by Sonnenfleck | 2006-09-22 00:02 | 日記
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