ボロディン四重奏団 瀬戸公演

【2006年10月9日(月・祝)18:30~ 瀬戸市文化センター】
●シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D.810 《死と乙女》
●シューマン:Pf五重奏曲変ホ長調 op.44
  ○アンコール シューマン:同~第3楽章〈スケルツォ〉
→原田英代(Pf)
⇒ボロディン四重奏団


遠路はるばる辿りついた瀬戸市文化センターの入り口に無情な貼り紙。
「メンバー変更のお知らせ」…あれ?…こいつはまさか、、

「ボロディン弦楽四重奏団のチェロ奏者、ヴァレンティン・ベルリンスキー氏が、急病のため来日出演できなくなりました。」

alas...最悪。。なんてこったい。。
他のメンバーには大変申し訳ないけど、この演奏会を聴きにきた理由のすべてが消え去ったですね。ベルリンスキーのチェロを聴くためだけにチケット取ったのに゠゚゠(ノД`)゠゚゠。
そんな感じでテンション低く席に着きましたが。

前半の《死と乙女》にはけっこう吃驚。このカルテットってこんなにスマートで冷たい音楽をやるんでしたっけ。。たぶん普段はベルリンスキーがリードしているんでしょうが、この日は1stVnのアハロニアンが牽引してるらしく、彼がとにかく冷たい音でザッハリヒに進むために他メンバーも歌わず、止まらず。第2楽章なんかまークールなもんです。ちょっと欲求不満。

しかし後半のシューマンはまた異なる趣向だったんですね。
初め―特に第1楽章第2主題のあたりは、粘っこく歌おうとするPfの原田さんと四人との間にまだ齟齬があったようなのです。やはり冷たくつれない感じ。
ところが第2楽章、葬送行進曲のテーマをぶっきらぼうにツンで始めたアハロニアンが例の美しい中間部に差し掛かったところで見せたのは、太くて温かい音色と上品なポルタメントによるこの日一番のデレ。あんなギャップを聴かせられたらもうイチコロですよぅ~。そして行進曲の回帰でまた冷たく突き放してくれます。。隠されたデレには弱い。

この曲の第3楽章はその派手な上行音型ゆえに「生きる喜びが云々」と言われますが、僕はむしろ交響曲第2番のスケルツォと似たようなヤバげな躁状態を感じるんですよね。
そんな曲想の中で、四人はついにギアチェンジ。そりゃ出来すぎな演出だべと思っていても、第4楽章に雪崩れ込んで浪漫の見本のような熱いうねりが展開されると、すっかり身体ごとが飲み込まれてしまいます。
それまで地味に抑制気味だった2ndVnのアブラメンコフが聴かせる、老体に鞭打つかのような思い切った激しいパフォーマンス。汚い音も辞さないVaのナイディン。ベルリンスキーの弟子でVc代役のバルシンもここでやっと遠慮を捨てて力強く歌いますよ。
こんな感じで情感の波に乗って盛り上がる演奏を聴くと、やっぱり彼らは(最近の「計算されつくした」ハイパー・カルテットとは異なる)20世紀スタイルの団体なんだなあという感じがしますねえ。第4楽章のフガートなんていかにも燃えでした。
by Sonnenfleck | 2006-10-11 19:51 | 演奏会聴き語り
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