週の半ばに祝日が来るのってこんなに嬉しいものだったんですね。朝から深々と勤労に感謝しつつ、優雅にヒキコモリ生活。
そんなわけで、これまで「日記」カテゴリとして書いてきたCDの感想文を、この機会に新カテゴリ「パンケーキ」として整理しなおすことにしました。 バロックとモダンは自分の好みの両輪ですけど、11月に入ってからはバロックの車輪の方がすっかり巨大化して同じところをグルグル回っていたような…。どちらかに深くはまると片方は疎かになってしまうものです。 リハビリのつもりで今日はずっとこの音盤をエンドレス再生。 ブリテンのカンティクル集、BBとPPによる蜜月的自作自演の一枚です。 僕はこれまで「ブリテンらしい苦み」がのよさがよくわからなかった。この作曲家のCDはほとんど持っていません。絶対に激さない、憂鬱な苦み。シニカルな笑いはゼロで、でもほんのりとメロディに甘みが感じられる…。盟友ショスタコーヴィチの対極と言うか、本当に複雑な肌触りですよね。さらに妄想するなら、これってパーセルの質感にそっくりだと思うんです。パーセルという作曲家は激しい表出性がないので聴くのも演奏するのも大変難しい。大陸のバロックとは(たとえばリュリとは)かなり似ているようで実は根本から違う。20世紀音楽におけるブリテンの独自性ってちょっとこれと似通ったところがありませんか?ショスタコやストラヴィンスキーに対して行なうような演奏方法を許容するような作品ではない。。 カンティクル第1番《愛する人は私のもの》の、耳殻から零れ落ちそうな詩情。粒立ちのいいブリテンのピアノと、ピアーズの暗くてインテリっぽい声質が、それを実に寂しく引き立てる。。トラック1のこの作品をタワレコの試聴機で聴いて、背筋にビリッときたのです。なんという静謐な時間。。控えめな旋律美。。 作曲者が半身不随となってしまったためにハープ伴奏用に作曲されたカンティクル第5番《聖ナルキッソスの死》。相変わらず冷たく静かであり、それ自体は色彩感の不思議な欠如を感じさせますが、逆に音のないところ、行間には多彩な響きがある。リュートのようにそっけなく鳴るハープと、陰鬱なテノール。 …一筋縄ではいかない。結論は出ません。ブリテンのことが物凄く好きになりそうな予感はありますが、、もうちょっと聴きこんでみます。
by Sonnenfleck
| 2006-11-23 23:09
| パンケーキ(20)
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Comments(2)
カテゴリ名の「パンケーキ」ってなんでしょう?
・・・って、なんだか質問してほしいのかなと思ってコメントしてみました。 (16世紀未満)をよろしくお願いしますね。
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Commented
by
Sonnenfleck at 2006-11-24 22:21
>SfHさん
…しっかりと見抜かれてますね(笑) 新しいカテゴリの名前は、生前のチェリビダッケがCDやレコードのことを「音の出るパンケーキ」として罵倒していたエピソードに由来します。。そんな彼も今やパンケーキ界の首領の一人ですが^_^; 16世紀以前については相変わらず手薄です…。SfHさんを見習ってバロックからもう一歩踏み出そうと思っているのですが、なかなか踏ん切りがつかずにいます●
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