【2006年12月18日(月)21:00~21:54 東海テレビ】
前回に引き続いて、コンクールに挑戦するのだめ。原作のマラドーナ・コンクール編の山場「《ペトルーシュカ》+《今日の料理》」で見事にコンクールの壁に激突して散るのだめと、自分の道を着実に切り開いていく千秋。コンクールの暗い不条理と、明るく破天荒なR☆Sオケとの劇的な対比を巧みに描く第10話ということで、、来週はもう最終回? ◆コンクールの魔とR☆S的自閉 悠人くんは全国のお茶の間から呪詛を投げつけられていたことでしょう(笑) あの強烈な頭といい、敵意むき出しの発言といい、ママといい、1位なしの2位といい、コンクールの記号みたいな描写でしたね。《パガニーニ変奏曲》があんまり巧くなかったのも「2位」の演出か。。 しかしのだめが最後に千秋に言い放つ「でも、ダメだったじゃないですか」という台詞は本当に重い。作者が「クラシック音楽」とは切り離せない「コンクール至上主義」にどう向き合うか、、ネバーランドに閉じこもるだけではどうにもならないことはいずれ原作のパリ編で示されねばならないだろう。…まあここは「夢見る月9」なんですけどね。。 ◆「じれったいから早く!」 高橋くんをここまで正確に再現するとは…何も言いますまい。GJ。真澄ちゃんもGJ(笑) ◆糸の切れた人形とは誰のことか ついにストラヴィンスキーがお茶の間の主役になる日が! でもクラヲタとして腹蔵なく書くなら、あの《ペトルーシュカ》+《今日の料理》にはちょっとがっかり。のだめの「切れてるラフマニノフ」や峰の「ロックな《春》」の再現をやってのけたスタッフ(とゴーストプレイヤー)ならもっと次元の高い融合ができたと思うんだけど、Excelで行を挿入したみたいに単純な演奏でした。ツェンダー版シューベルトのようなエゲツナイ変容を想像しておったのですが、、著作権が絡むと勝手なパラフレーズは許されないのかな。 ◇今週のクラヲタポイント ・ハリセンの本棚に並ぶグラウト/パリスカ『新 西洋音楽史(上)(中)(下)』に刮目せよ。
by Sonnenfleck
| 2006-12-18 23:42
| on the air
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Comments(12)
悠人くんのピアノ、あんまり上手くなかったですねー。あれで「上手い...和音の響きもいいし」と千秋が言い出したので少し笑ってしまいました。まあドラマの定石だから仕方ないか...
私は本編よりも予告編の最後の数秒が心に残りましたw ホントにサントリーホールで演奏!千秋が泣きながら指揮!来週は感動必至ですね。
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dr-enkaizan at 2006-12-19 03:12
今回は少々著作権処理に問題も感じておりますが。
その仕事には感心していながら、件の間合いは???次第です。 あの間合いは演出家のミスリードですね。 >Excelで行を挿入したみたいに単純な演奏 おそらく連続してみても見事に当てはまるのですが・・・・その連続での隠し絵のようにというのが原作の意図だったと思いますが、わざわざそれを演出で切ったのでは?との疑問もあります。 因みに管弦楽原曲の当該箇所のホルンのパートがあの曲に似ている動きを微かにするのが、このねたの由来かもしれませんが、そうじゃないのかも知れませんが、一部に言われたのはこちらをよく耳にします。 もっとも件の引用曲のでの・・・さらに危ない禁句は、アルーヴェンのスエーデン何某という語句なのですがそれは流石にああの原作サイドの誰も言及しきれてませんのがその半端さがしれます(笑)。
Sonnenfleckさん、こんにちは。
私も、のだめヴァージョンの《ペトルーシュカからの3楽章》には、ブーイングですぅ! のだめが、ハリセンから本選の曲にシューマンのソナタとストラヴィンスキーの《ペトルーシュカ》を指定された時、思わず、わぁ~なんてステキな選曲!(^^)って喜んだのもつかの間、あの《今日の料理》は余りにも悲しすぎます。 このピアノ曲、中学生の頃、お小遣いをためてやっと買った、ストラヴィンスキーとの初めての出会いとなった大切な曲だったのになぁ。。。 愚痴はおいといて、来週の最終回、ドキドキながらも楽しみです!(^^)
ちょうど手元にあったグラウト/パリスカ『新 西洋音楽史(上)』を
思わず高く掲げてしまいました。紅衛兵スタイルで。
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Sonnenfleck at 2006-12-19 21:44
>蔵吉さん
音はともかく、もしあれで「ピアノを弾いているフリ」だけでも鬼気迫るような演技だったら…あるいは少数のファンを獲得したかもしれません。。 しかし本当にサントリーホールでしたねえ。。クラヲタ的には、自分の住んでる街がテレビで取り上げられたような誇らしさと一抹の寂しさがありそうです^^;; あの席は雨宿りだから音悪いんだもん!とか(笑)
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Sonnenfleck at 2006-12-19 21:48
>ドクター円海山さん
演出のミスリードというご意見には賛同するところが大きいですね。まあ上にも書きましたが、個人的には冨田氏の意向として「原曲のまま使え」という注文があったのじゃないかなと思ってます。私は冨田氏の業績をリアルタイムに知る世代ではないのですが、円海山さんのエントリを拝見してまたしても買わなきゃリストの項目が増えました。。アルヴェーンは聴いたことすらないですし(汗) 《今日の料理》と《ロシアの踊り》がどれくらい似ているか机を叩いて比べていたら、《ロシアの踊り》の旋律が思い出せなくなるというリアルなことになりました>これが隠れされた作者の狙いなのか(笑)!
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Sonnenfleck at 2006-12-19 21:57
>snow_dropさん
あのパラフレーズ、「のだめ」感想を書かれてるクラファンの間での評判は五分五分というところですかね。私も昔、《ペトルーシュカ》(オケのほうですが)だけを3ヶ月ぐらい毎日聴き続けた時期があって、この曲にはかなり特別な思い入れがあります。。それが公共の電波に乗って、日本でテレビを持っている人の18%に聴かれてしまったのが嬉しくもあり、一方で多くの視聴者にとってはすっかり茶化された形で記憶に残ることになるだろうことが悔しくもある。。 来週は原作最大の山場が再現されそうで、、ドキドキです。
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Sonnenfleck at 2006-12-19 21:57
>SfHさん
上巻というのがSfHさんらしいなあ(笑) ハリセンの薀蓄はこれがソースなんでしょうか。並んでるのが『ニューグローヴ』じゃないのが逆にリアルでよかったです。
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kaorinishina
at 2006-12-20 00:15
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《ペトルーシュカ》+《今日の料理》は、私も・・・でした。
でも、良かった~と言う方もありで、やっぱり私、変?って思ってたので、こちらで、書いていただいてあって、ホッとしました。いろんな事情があったのねと勉強にもなりました。 でも、来週は最終回。思いっきり感動できることを願っています。
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Sonnenfleck at 2006-12-20 12:19
>kaorinishinaさん
実際に音にして電波に乗せる作業は困難を極めたんだろうし、十人十色の想像力を満遍なく満足させる再現はムリなんでしょうけどねえ。。大いに期待していたぶんガッカリもひとしおでした。と同時にコミックという媒体の力強さに改めて気づく次第です。 天下の月9、来週は王道路線でしょう。最後まで斜に構えて見させてもらいますが(笑)
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nyoirin at 2006-12-20 16:37
こんにちは。
ペトルーシュカ+今日の料理について、熱く語られているのを楽しく拝見しました。私は、あれはあれで良かったのではないかと思います。いつの時も、原作はやはり凄い力を持っているものだと思います。コミックというメディアだったからこその、音のない世界で「音・音楽」を表現することの難しさと素晴らしさをあらためて知らされたとでも言うのでしょうか。原作を読んだ誰しもが、自分の頭の中でペトルーシュカと今日の料理を想像してアレンジして流していたはずです。それは読んだ人の数だけバリエーションがあったでしょう。 権利の問題もあるでしょうし、それでもあそこまでがんばったと思いました。確かに切れてるラフマニノフや、ロックな春に比べるとやや色褪せて見えるのは、残念ではありますけどね。 ああ〜っ、あとは最終回を残すのみですね。終ってしまうのが寂しいです。
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Sonnenfleck at 2006-12-20 23:39
>nyoirinさん
確かに万人の想像力を満足させるような演出は難しいのでしょうね。 コミックは文字だけでできた小説よりも想像の幅をいくらか狭めますけど、一方で非常に強固なアウトラインを読者に提示してくれます。。それは、(自分も含めて)今回の《ペトルーシュカ》に満足がいかなかった方の多くが、「《今日の料理》との連続性・融合を期待して裏切られた」的な内容の感想をお書きになっていることからも窺えるかと思われ。どちらの曲もある程度メジャーであるがために、皆が自分だけの融合具合を想像しやすかったというのが、、今回のプチ論争の原因にあるのでしょう。
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