「の」がつく例のアニメが関東で始まったようですが、各所で軒並み評判が悪いので笑ってしまいました。期待しないで待っていようと思います。
さて今月号の「BBC music」。 付録としてT. フィッシャー指揮のBBCウェールズ管による《トゥーランガリラ交響曲》がついていることをs_numabeさんのエントリで知り、さっそく買い求めてきました。汗で前髪をべったりと額に張りつかせたゲルギエフがあんまりむさ苦しいので…レジに持っていくのが恥ずかしかった(笑) ティエリー・フィッシャーは06-07シーズンからBBCウェールズ管のシェフに就任した指揮者。ヨーロッパ室内管の首席Flから棒振りに転向した人なので、指揮者としては「俊英」なのかもしれませんけど、それ以前にあの強烈な集団の中で経験を十分に積み重ねているためか昨年9月の名フィル客演ではアンサンブルを強力に統率しながら「透かす」才能を感じさせまして。爾来注目している人なんです。 件の付録CDですが、オケの公式サイトを見るとどうやら首席指揮者就任コンサートのライヴ録音らしい。トゥーランガリラを就任コンサートに持ってくるなんて…凄い自信だ。。 演奏のほうはというと、、これがなかなかいいんですなー。 作品の巨大なスケールを表現することについては最初からあんまり気にしてない感じ。確かにこの巨大さを十分に音にするにはこのオケは残念ながら貧弱だし、その点ではスタジオで録音バランスまで丁寧に作り込んだ歴代の名盤の数々に敵わない。 でもそのぶん、響きの整理やオケの音色について細心の注意を払っているのが伝わってきます。たとえば初めリズムがとろく感じる〈星たちの血の喜悦〉なんかは、よく聴くと四方八方から幾筋もの音の矢に貫かれるような奇妙な立体感があるのがわかるし、激しく入り組んだ〈愛の歌Ⅰ〉や〈愛の敷衍〉でも、旋律の弾道を互いにぶつけ合うことなく重層的に整理してて感心します。冷たく湿った音色で聴かせる〈愛の眠りの庭〉も独特の世界。 よく整理された空気はナガノ/BPO盤に似ているのだけど、特別なコンサートのライヴであること、そしてロジェ・ムラロのピアノが匂い立つような官能を帯びているのも手伝って、熱狂的な瞬間にも事欠かきません。興味がおありの方はぜひに。安いですし。
by Sonnenfleck
| 2007-01-12 20:38
| パンケーキ(20)
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Comments(2)
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s_numabe at 2007-01-13 00:49
小生もこの演奏が気に入りました。凄くバランスのとれた「トゥーランガリラ」でしたね。ロジェ・ミュラロのピアノも良かった。
ティエリー・フィッシャーはHyperionから出たジャン・フランセのアルバム(三枚あり)がどれも素晴らしかった。とりわけ、Scuola di Ballo というバレエ音楽と Symphony(1953)が驚くほどの名演。繊細極まりない、それでいて見通しの良い音楽を聴かせる人ですね。名古屋にいると、生で聴けるのですね、羨ましい!
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Sonnenfleck at 2007-01-13 20:27
>s_numabeさん
フォローありがとうございます◎ そうなんですよね。とにかく音響に関するバランス感覚が優れている人だなと思います。しかもこの演奏が収録された演奏会ではプログラム前半にフローラン・シュミットの《詩篇》が演奏されており、CDでも最後のほうではオケの疲れてきている雰囲気がありありと伝わってきますが、それでも〈終曲〉に演奏上のアクセントをピタリと合わせてくるところ、オケのココロも掴んでるようですね。 CDは以前教えていただいたときから探しているのですが、なかなか見つかりません。通販頼みになりそうです。聴いてみたい…。
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