昨秋のアーノンクールに引き続いて、自分にとってのアイドルがまたひとり日本へやってきます。
ブリュッヘンが新日フィルに客演する3公演、本当は《ロンドン》も、ベト1も、モーツァルトの39番も、東京に駆けつけて全部この耳で体験してみたい。でもそれは叶わないのです。だから今週末のシューマン第4には、まさに全耳全自分を傾けて聴き入らないといけない。。
このブログを始めて最初に感想を書いた演奏会は、
2年前のブリュッヘン/新日フィルによるシューマン第2でした。こうして読み返すと明らかに興奮マルダシで恥ずかしいのですけど、今でも信じられないのは、あのとき本当に
新日フィルから18世紀オーケストラの音がしていたっていうことなんです。。嘘のような本当の話。
あのときリコーダー仙人はどんな秘術を使ったのか?今回はそのへんを探るべくもうちょっと冷静に、、聴けるとイイナ…。
ブリュッヘンがオーケストラを使って作る響きは、同志であるレオンハルトやアーノンクール、あるいはガーディナーのそれとはまったく違う。古楽第一世代同志たちの透明な響きは、突き詰めると理性的な通奏低音に辿りつくようであるのに対し、ブリュッヘンの響きは
重心が低くて、暗くて湿っていて、なにしろ感覚的なのですよ。
そうした彼ならではのマチエールというのは、
ひとりの笛吹きとして本質的にロマンティックな彼の中の「歌」にその発端が見つけられるんじゃないでしょうかね。…ブリュッヘンのシューマンとアーノンクールのシューマンを「古楽だから」という括りで同質のものだと捉えるのは、「丸いから」という理由で太陽と月を一緒にするようなもので、いかにもそれらしく正解のようであるところの間違い、だろう。