大友直人/東京交響楽団 第543回定期

【2007年1月27日(土)18:00~ 第543回定期演奏会/サントリーホール】
●細川俊夫:オーケストラのための《空の風景》(委嘱新作)
●イベール:ASaxと11の楽器のための室内小協奏曲
→須川展也(ASax)
●シベリウス:交響曲第2番ニ長調 op.43
⇒大友直人/東京交響楽団


実は先週ブリュッヘンを聴いた後、錦糸町から溜池山王まで爆走しました。
ダブルヘッダは疲れるし、音楽の印象が混濁してよくないのでしょうが、改装される前のサントリーホールをもう一度見ておきたかったのもあって急遽実行。もう一週間経ってしまったので感想文は短めにしときます。

最初の細川作品、、これが素晴らしい名曲。名曲の初演に立ち会えるなんて幸せだ。
細川氏らしい静謐な曲調の中で、いろいろな形をした「雲」が、舞台下手から上手へ吹く風に乗って2群の大オーケストラの間を渡っていく。つまり下手のグループが発した音塊を、上手のグループがぼんやりと模倣する、それだけなのです。それだけなのに、心を奪われてしまった。
いまのは上層のすじ雲、中層のひつじ雲、綿雲、ああ積乱雲だ、雨だ、というような根源的な感興が、本当の空を眺めているときのように、何の意味もなく湧き上がりました。「こう見る」ではなく「こう見える」という、洗練されて演奏者の存在さえ希薄なパノラマ。
拍手に応えて舞台に上がる作曲家氏にブラヴォの声がかかりました。うんうん。

舞台セッティングのため10分の休憩を挟んで、イベール。
「コンチェルティーノ」でそのうえ「ダ・カメラ」ですから、実に小ぶりな佳曲であります。
時にJazzyで、臭くない程度に名人芸で、ちょっと物足りないくらいでサッと幕が下りる。

このような前半が経過していただけに、後半のシベリウスはきつかった。。
演奏としては最高だったと思うのです。昨年はきっとこの調子で《レニングラード》をやったのでありましょう。分厚い弦の響きの上に鋭く尖った金管と豊かな木管が乗っていて、暗譜の大友氏の煽りでうねるように前進していく。素晴らしかった。東響はいいオケです。
…それでも、シベ2は僕にとっては濃すぎる。。1から10まで生真面目に音が書いてあって、隙がないのですよ。ほんのちょっとでいいから、「一歩引いた感じ」や「笑い」がほしい。シベリウスに親しもう作戦は今回も失敗です。。

さてサントリーホールは4月から改装工事で休館するわけですが、これまでずーーーっと思ってたことを最後に言わせてください。―トイレ。残響2.1秒になるくらいの拡張を。
by Sonnenfleck | 2007-02-03 09:22 | 演奏会聴き語り
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