グリーン・エコー第50回演奏会 《ミサ・ソレムニス》

c0060659_12101062.jpg【2007年3月3日(土)18:30~ グリーン・エコー第50回演奏会/愛知県芸術劇場】
●ベートーヴェン:《ミサ・ソレムニス》 op.123
→菅英三子(S)、中杉知子(A)、福井敬(T)、三原剛(Br)
  グリーン・エコー(Choir)
⇒飯守泰次郎/名古屋フィルハーモニー交響楽団


生でこの曲を聴くのは2年ぶり。前回は第1回ラ・フォル・ジュルネ、RIAS+コンチェルト・ケルンで、あのときは本当に凄まじい感動を受けたのだけど、今回はそのような発散系ではなく、深沈とした安らぎの勝る演奏でありました。
グリーン・エコーは1957年に結成されたアマチュア団体。団員の皆さんはちょっと平均年齢高めかなという感じですが、若さだけが第一に素晴らしいというわけではないのが音楽の面白いところです。
RIASのように研ぎ澄まされたアーティキュレーションで曲を疑い、曲に切り込むわけではない。代わりに横溢しているのは、作曲家を全面的に信じ、曲そのものの尺度によって時間を抽象しようという暖かい心情。

そういう意味で、〈グローリア〉の終結部フーガのように縦横無尽に光線が交錯する局面はさすがにお団子的音響になってしまってたと思います(これは飯守氏の得意にする音楽づくり、および僕が指揮者の真下に座っていたせいもあるのだろうけど)。
でも件の〈グローリア〉の最後で空間に溶け込んだ「Gloria!!」だとか、〈クレド〉の中間部でテノール声部が古っぽく歌う「Et incarnatus est de Spiritu Sancto...」、あるいは〈アニュス・デイ〉の大詰めで繰り返される「Pacem...Pacem...」などのことば、これらは本当に暖かい響きで胸に迫ってきました。特に最後は例の戦争のテーマを否定し、乗り越える肯定的な明るさが声に滲み出ていて、素晴らしかった。まだ耳に残っている。

ソロは、、予想に反して低調だったかなと。
共に織り成すと言うよりは競って歌い合うという感じでちょっと刺々しく、それでいて妙に混濁して聴きづらい。合唱の落ち着きとは温度差があったように思いました。
(*繰り返しますが僕の座った席の問題である可能性も高いです。)

オケ。僕は飯守氏の音楽を聴いてインスピレーションを得たり、何か深く考え込まされたことはついぞないのだけど、今回はこの人の大らかさがプラスに働く場面が多かったと思う。
この曲でベートーヴェンが〈クレド〉に与えたユーモラスさは、事も無げにサラリと解決するだけでは生きてこず、今回の演奏のようにフレーズの終わりを磊落に放り投げるくらいがちょうどいいのかも。その前の〈グローリア〉とこの〈クレド〉の巨大なフーガはそれぞれ泥くさくゴリゴリしていて面白かったです。(*まあ、、銘銘が銘銘でゴリゴリしてて、ポリフォニックな愉しみという面では「かなり」物足りなさが残ったという感じです。)
〈サンクトゥス〉後半〈ベネディクトゥス〉部分のオブリガートVnは、もちろんコンマスの後藤氏。いつも以上の細やかな美音…ベストフォームだったんではないでしょうか。ブラヴォ。
by Sonnenfleck | 2007-03-04 12:12 | 演奏会聴き語り
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