BuxWVで悔悟する

c0060659_6515952.jpgdacapo(丁)の、ブクステフーデ声楽作品集。
カークビー、通奏低音にリンデンとモーテンセン、Vn1stにホロウェイ、とここまでは80年代までの清潔なバロックです。でもこのCDでは、Vn2ndにコンセール・デ・ナシオンのコンマスとしておなじみのマンフレード・クレーマーが加わって、隠し味。

ここに告白しますが、ブクステフーデ作品の中で唯一演奏に加わったことがあるのが、このCDの最終トラックに置かれた《主よ、汝さえこの世にあれば Herr, wenn ich nur dich hab》 BuxWV 38 なんですよね。
かつて「ブクステフーデの歌モノをやらないか」と誘われた僕は、このゆったりとしたパッサカリアの虜になってしまった。しかし僕の通奏低音チェロは、だいいちいかにも音程が取れていなくて…この曲を聴くたびに…あのときとてもいい声を聴かせてくれていたソプラノ女史への申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになります―。

以前yusukeさんのエントリで、バロクーの「パッサカリア・シャコンヌ・ラフォリア・フェチ」という傾向が話題に上りましたが、これなんかはまさに典型的に愛好されるべき美しいパッサカリア…至純の4分間であります。これを最後に持ってきた制作側の愛がひしと感じられますよ。
Herr, wenn ich nur dich hab,
so frag ich nichts nach Himmel und Erden.
Wenn mir gleich Leib und Seel verschmacht,
so bist du doch Gott allezeit,
meines Herzens Trost und mein Heil.
Alleluja.
素朴なオスティナートで歩む通奏低音とともに、カークビーが美しく毅然とした声で恍惚とした詞を歌う。そこへ、始めは恐る恐る、しかし徐々に全幅の信頼を込めて絡みつく2本のVn。この歌詞が抜粋されてきた詩篇73篇の内容をググってみて、なんとなく考えさせられるところもある。これは甘美な逃避ではないのか?別にいいけど。。

このCD、ついにNaxos落ちしました。4月からはたった1000円で手に入ることになります。
by Sonnenfleck | 2007-03-28 07:04 | パンケーキ(17)
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