on the air:チョン/東フィルの《トゥーランガリラ》

日曜夜の「芸術劇場」がこの4月から金曜夜に移動してしまいました。そりゃ日曜夜よりはリラックスして楽しめるけど、そもそも金曜夜はそんな時間に家にいないよっていう人、結構多いんじゃないかなあ。
いっぽう日曜午後のNHKFMは、「FMシンフォニーコンサート」「海外クラシックコンサート」に吸収される形で消滅し、4時間にわたる巨大帯「サンデークラシックワイド」が誕生。といっても内容のほうは柔軟に構成してくれるみたいで、この日曜日はこれまでどおりの「東フィルアワー」4時間拡大版でありました。放送されたのは飯森氏指揮の座間公演と、チョン指揮のオペラシティ定期でしたが…前者の微温ぶりには衝撃を受けました。いまどきあんなに保守的なエロイカを振るなんて大した才能だと思いますよ。
で、後半の《トゥーランガリラ》をマジメに聴く。

c0060659_638043.jpg【2007年1月24日 東京オペラシティ】
●メシアン:《トゥーランガリラ交響曲》
→横山幸雄(Pf)、原田節(オンドマルトノ)
⇒チョン・ミョンフン/東京フィルハーモニー交響楽団

〈導入部〉の入りがあんまりにもヘナヘナとだるいので、大丈夫かいな…と思いましたが、徐々にテンションも上がり、アンサンブルも(比較的)整ってきて一安心。
しかし今回の演奏、基本的に線が細いままなんですな。この指揮者って音の大きな塊をぶつけて聴衆を圧倒する芸風だと思ってたのだけど、いったいどうしたんだろう。
東フィルの音がずうっと痩せぎすなのも気になるところで、チョンのこれまでの録音で聴かれるような甘美なうねりには程遠く、むしろ耳に鋭く突き刺さってくる瞬間が多いのです。東フィルってあんまり聴いてこなかったのでよくわからないんですが、ここまで尖ったオケだったかなあ。。そのぶん〈星たちの血の喜悦〉〈終曲〉は攻撃的で面白かった。

しかしいくつかの場所、たとえば〈愛の歌Ⅱ〉後半の官能的な歌い込みなんかは、東フィルの限界いっぱいのベストでありましょう。続けてあの日本の古謡みたいな箇所にさしかかると、それまでにはなかったシナを作ってナヨナヨと歌い崩れていました。ブラヴォ。
by Sonnenfleck | 2007-04-19 06:43 | on the air
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