熱狂報告1―イザイQのマスタークラスが大収穫

c0060659_19472866.jpg今回は計略に進んで引っかかり、東軍に寝返って楽しんできました。総大将マルタンの思う壺です。東京桃配フォーラム。

【5/5(土)0915-1000 ホールC〈カフカ〉】
●小山清茂:弦楽のためのアイヌの唄
●ラヴェル:《マ・メール・ロワ》
●同:《クープランの墓》
⇒沼尻竜典/トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ

前日の疲れがさすがに抜け切らなくてグッタリ…してたのはたぶん客だけではなく演奏者も同じで、朝一から肩に力が入らない、素晴らしく醒め切ったラヴェル。沼尻氏もそういうアプローチの人だと思いますし。でもその抑制が〈妖精の園〉で爆発的に解放されたので、泣いてしまった。
LFJではたった2作品しか取り上げられなかった日本人作曲家の曲(あとは武満の《海へⅡ》)。小山作品はオスティナートが力強い「それらしげな」雰囲気でした。

【5/5(土)1030-1130 ガラス棟7Fラウンジ〈マダム・フォン・メック〉マスタークラス】
●バルトーク:弦楽四重奏曲第3番
→カルテット・ヴェーネレ
⇒ヨヴァン・マルコヴィチ(講師/イザイQチェリスト)

この日いちばんの収穫はこれだったような気もする。
生徒は芸大の学生さん女性4名によるカルテット。すでに結成3年目ということで、個々の技量もさることながらアンサンブルの緊密さも十分、僕も含めて、マスタークラスだと思って軽い気分で訪れたお客がみんな唖然としたのです(第2楽章の終わりころに頻出するユニゾンの迫力など大したものだった)。マルコヴィチ先生が終始上機嫌だったのも頷ける。
先生はさらに、彼女たちの楷書体の演奏に野趣あふれる装丁を施していきます。この曲がバルトークの「踊り」であり「語り」であることを盛んに強調するんですが、いっぽうで意味のないアクセントやヴィブラートを戒める。彼女たちの音にどんどん陰翳がついていくのが面白くって…。これは応援していきたくなっちゃうではないか(笑)

【5/5(土)1215-1300 ホールA〈ドストエフスキー〉】
●R=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》 op. 35
⇒ドミトリー・リス/ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

一部で話題のリス/ウラル・フィルですが、前日に聴いたドヴォコンの伴奏がヘンテコで面白かったので、急遽《シェエラザード》のチケットも買い求めてみました。
ウラル・フィルが楽しいのは、個々の奏者の「歌いたいポテンシャル」が物凄く高いレベルにあるところなんでしょうね。トゥッティは合わせることに(いちおう)気を遣ってるのだけど、ソロになるとよくもまあ歌う歌う。華麗な装飾がいっぱいぶら下がって、キラキラした美演なのです。しかし指揮者のリスは伝え聞くとおりのフォルム重視で、そこの齟齬がスリリング(笑) 会場がホールCだったら語り草のひとつになってたかもなあ。

有楽町は今ごろ大団円でしょうか。
by Sonnenfleck | 2007-05-06 19:46 | 演奏会聴き語り
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